良い意思決定は良い会議から〜Aぇ! groupが梅の順位を決める様子を世界一真剣に解説するnote〜

社会人でも学生でも避けられない、複数人でのディスカッションと意思決定。とある会社の研修で、私は講師の先生に聞いたことがある。

"良い結論って、どんな結論ですか?"

その答えは意外なものだった。
"みんなの感情が落ち着くものです"

どう考えてもごりごりロジカリストの先生から、まさか感情に関する答えが出るとは思わなかった。意思決定に唯一解なんかない。どれだけ頭がいい人が論理立てて物事を考えても、それだけじゃ意味がない。その後のフローを鑑みても関わる人の感情がポジティブであれば正解で、そのプロセスこそ結論そのものより大事。

それを今回改めて教えてくれたのが、昨日の親愛なるAぇさんだった。(まだ見てない方いらっしゃったらぜひご覧くださいませ、ここからネタバレ入ります。)

会議の概要

企画の趣旨を簡単にいうと、様々な"梅"商品(タイアップコンテンツ)を1人1品試食し、その感想をもとにみんなで話し合って売り上げ/値段順を予想して並べると言うもの。小島くんも言ってましたが非常にシンプルですね。

…いやしかし、宣伝しないといけないものにわざわざ順位つけさすとは、かつそれをメンバーにやらせるとは、一体どんな魂胆…?そんな、ともすると危険な企画の構造をメンバーもよく理解していたようだったので、どんな流れになるのか非常に興味津々で見ておりました。

そして何がすごいって、25分の動画で2回しか予想を実施しないテンポの遅さである。カットされた部分も含め1回の予想に30分もかける彼らの真面目さに加え、その議論が正当で見応えあるものだったと言うことだろう。

1回の議論の流れは大まかに以下の通り。

【試食-10分】仮案発表と論点分類
【10分-20分】議論
【20分-決定】結論ブラッシュアップ

会議の流れ①
【試食-10分】仮案発表と論点整理

まず、メンバーそれぞれが自分の梅を何位におくか仮案発表。大事なのはその後である…!一人一人自分の梅しか試食できない上に、勝手に優劣もつけられないこの状況。

そこで彼らは、
しょっぱい⇔甘い
はちみつ漬け⇔しそ漬け⇔とまと(?)
リアクション重視⇔パッケージ重視
という、論点の分類を行ったのだ。

論点を大まかに分類することで、それぞれの意見がどこに位置するか、みんなの中に共通の枠組みができる。全員が納得してスタート地点に立つためにはささやかながらもとても重要な作業であった。

会議の流れ②
【10分-20分】議論

先ほど分類された観点に対し、自分はどう考えるかということから議論がはじまる。そして、意見を戦わせつつ優劣に関する合意形成が少しずつなされていく。ポピュラーさでいえば はちみつ>しそ>とまと など。確実に議論が前に進む。

我が我がといつもの喧嘩芸を見せてくれるかと思いきや、パッケージから判断しようと推定してみたり、少数派意見に対して"これから広めていこう枠"と言い方を工夫していたり。議論の中に、納得とポジティブを大事にする言動が随所に見られました。(一人一人のキラリと光る場面は最後にまとめることとします。)

会議の流れ③
【20分-決定】結論ブラッシュアップ

会議も大詰めになってくると、制限時間が気になったり結論が出せるか不安になったりするもの。議論ばかりに終始せず一旦並べる方向に切り替えたAぇさんはさすがだと思いました。
いざ自分自身で結論を形にする(順位を並べてみる)と、違和感にも気づきやすくなります。せっかくここまで議論したし…とめんどくさがらず、素直な主張を続ける姿勢もいい。

最後は勢い。ここまで積み重ねた議論があるからこそ、あとは感情がポジティブに落ち着くかどうか、でいいのです。各自その過程でまあここは譲れるか、と気持ちを固めていく。答えのない結論に自信を持つために重要なのは、案外決め切る過程での声色とか表情とかなのかもしれないな。

おまけ:
会議後のフィードバックタイム

正解を聞いたあと、悔しがるだけでなくちゃんと振り返ってたのも良かったですよね。
やっぱ食べた人のリアクション大事だったやん、とか。あと、意見の通らなかった人が素直に文句言ってるのも好感度高い。それだけ真剣に考えたってことですし。


各メンバーのキラリと光る言動紹介

ここまでは、押さえるべき会議の流れ全体。
ここからは、一人一人の素敵な言動を見ていきましょう〜


ファシリテーター&ポジティブ変換、正門
タイムキーパーガチ勢で、流れを壊さず自然と議論を前に進められるのは彼のおかげであるところが多い。そして"これから広めていこう枠"もそうだし、議論の中でどうしても否定をしないといけない部分に対する前向きな態度が素晴らしい。最後、末澤くんの意見に対して"ふりだしだぁ!"と緩く反応しているのも良かった。小島くんや大晴くんの遊びも拾ってあげて、こんな人が中心にいるグループワークは心理的安全が高いだろう。素晴らしすぎるが故に真似できそうにもないが、余裕って大事だなと思わされた。

きっちり議論の四隅を押さえる晶哉くん
中心で議論を回していくのが正門くんだとすると、晶哉くんはその対になる議論の端っこ、四隅をきちんと押さえる役割というか。例えば最初の塩分20%梅とか、どう考えても極端じゃないですか。その極端なところに対して、満点のリアクションと冷静なフォローの言葉。メンバーも視聴者も"ああ、今日はこう言う振り幅でいくのね"と理解、安心できる。

宇宙を生み出す"引力"担当びばちぇ
なんかやたら存在感ある2人。てか大晴くん、本来頭脳派なのに素直ムーブかますのずるいな!ロジカルに偏りがちな議論の中で、"根拠はないけど1番なんだ!"と駄々をこねる彼は、議論に磁力みたいなものを生む、誰かを引き寄せ、あるいは逆に反対意見を起こすことで、1つの宇宙が発生するんだ(?)。
小島くんはその構造をより冷静に見ていそうだった。リチャくんが1回目他人のランキングを変えた際、彼が"あ、もう変えちゃう?"と発言してたのは、"そういうノリもうちょい後だと思ってた"と先の流れをマネジメントする意識があったからなのでは?と思いました。

年上を自覚する、引き算のリチャ末
この2人、あえてあまり意見言ってないですよね。手数的に。年長者が最初からガツガツいくとさすがに圧がかかることを自覚しているのか、リチャくんは客観的な意見に徹するし(頭いいよねぇ)、末澤くんは本心のみシンプルに伝える&自分が少数派ってわかった時しか狂犬発動させなかったような。何かをプラスする工夫より、グループでの自身の立ち位置を見極めて引き算できるの、脱帽です。

まとめ

良い結論…いえAぇ!結論とは、関わる人の感情が最終ポジティブであるもの。そして良い会議とは…いえ(以下略)は関わる人の感情をポジティブにまとめていくプロセスのこと。
大きな流れも各メンバーの立ち回りも、まさにこのYouTubeで学べたなぁと個人的には思っています。ちなみに私が真似したいのは大晴くんムーブ。

即興芸で鍛えた集大成、場の流れを汲んでストーリーを作る力、ぽんっと意見や感情を投げても誰かが拾う信頼感みたいなものの成せる技かもしれないですね。

とか言ってたらあれじゃん、この前のエアビーチバレーもそうじゃん!これも本当好きだわ…何回も見直したわ…

P.S.帰省中で一緒に見てくれた母が、自担のことを若い時のの山Pみたいで綺麗だとほめてくれました。うれしかったです。

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