今際の際
ジグソーパズルが完成しまして、ワタクシは呆然としていたのですよ、そのパズルは1000ピースもあるもので、1日に10分ずつ。半年かかって、漸く、です。
あー、終わってしまったのだと、呆然としてしまいました、
どんなパズルかって?
どんな。どんなでもない、としか言いようがない。
何故かって、
真っ白だから。何にも描かれちゃいない。
白は、世界の終焉を示すような心持ちにさせるのでとても好きなのです。全てを吸い込んでしまう。
パズルが完成したその日の夜、
いつもはロクに眠れないのに。死んだように寝てしまった。
そしたら何時の間にか、真っ白な部屋に閉じ込めれていた。
何処にも出口は無い。何も無い。自分の身一つ。
唖然としていると、背後に突然気配を感じた。
振り返ると、
真っ白のスーツ、に、真っ白のハット、サングラスを掛けた妙な男。どこから来たんだろう。
その男に突然、銃を向けられた。
「な、何をするつもりだ……?」
その瞬間、耳を劈く銃声が鳴り響き、目の前が真っ暗になる……
「痛……」
目が覚めた時、ワタクシは自室で、ベッドの下へと転げ落ちていました、どうやら夢を見ていたようです。
頭の辺りに、パズルが散らばっていました、落ちた衝撃でバラバラになっていました。
やり直しだ…折角作り上げたのに…
そう思いながら、パズルに目を向けると、
パズルのピースは、真っ赤に染まっていました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?