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back number メモ
大好きなバンドの一つ、back number。どのくらい好きかと言うと、インディーズ時代の曲を含めて全曲歌えるくらいには好きです。1番好きなメンバーはアッキーです。異論は認めます。
一般的に相反するとされる「深さ」と「広さ」。広く用いられる二項対立ではありますが、こと音楽の文脈の中おいては、歌詞の中に具体例を盛り込んで、その鋭さを研ぎ澄ませれば研ぎ澄ますほど、歌詞は、曲は、聞いた人の心の奥底まで深く潜り込んでいく傾向にある気がします。一方で、共感できる層も非常に限定されてしまいかねません。「私には刺さるのに、なんでみんな聞かないんだろう?」と思う時はだいたい、このパターンであることが多いように思います(知名度の問題かもしれませんが)。その最たる例がamazarashiなのですが、本筋から脱線してしまうので今回は割愛します。
さて、そんな「深さ」と「広さ」の最適化問題に真正面から向き合っている点が、back numberの魅力の真髄だと思っています。万人受けするような、非常にキャッチーなフレーズ、普遍的なテーマにもかかわらず、歌詞のところどころに散りばめられたディープなエッセンス。とっつきやすい曲だと思って聞いていたら、眠っていた心の奥底から記憶を引き摺り出されて、辛かったあの時がフラッシュバックするかのような、好きだった人との思い出を鮮明に思い出してしまうかのような、このヤジロベエのような絶妙なバランス感覚が、back numberの魅力ではないでしょうか。
今回はそんな一例を紹介しながら、back numberの真髄に迫って行きたいと思います。とは言っても、ただ私が好きな曲を挙げるだけですが。
アイラブユー
駅前のパン屋と
踏切の締まる音
ああ 君に会いたくなる
この文章だけで、筆舌に尽くしがたい気持ちになるのは僕だけですか?場所と音を一つずつ挙げているだけなのに、まるでこれまでの思い出の全部が蓄積されている記憶の宝箱をゆっくりと開けるような、文字数からは想像がつかない不思議な感覚に襲われます。歌詞通りのシチュエーションに立ち合わせたわけではないですが、その雰囲気が手に取るように分かります。こういった「思い出のアイコン(象徴)化」的な言葉選びが秀逸だなあ、とback numberの曲を聞くたびに痛感します。冒頭から終わりまで、非常に良い曲です。
手紙
体がだるくなったときは
確か生姜とハチミツで
口うるさくても 嫌でも思い出すよ
離れていても 守られているんだ
お願いします。一回で良いのでMVを見てください。たった5分弱です。これ以上語るのは野暮なので、もう何も書きません。見れば言わんとすることが分かります。
もう、見ましたか?
頬を濡らす雨のように
歩き出した僕らには
立ち止まってる時間も
戻る場所もないように思えるけど
手は差し伸べられてる
日差しに掛かった 雲のように
いつだって姿を変えて
余計な味付けを加えずに回り続けるD♭→Fm→G♭→G♭mの流れ、透明感と軽さを演出するアコースティックサウンド、そのサウンド全てが歌詞にフォーカスするために用意されたかのよう。最高級のステーキにはシンプルに塩胡椒を合わせるのが一番ですが(私調べ)、それと同じ匂いを感じます。あまり知名度はありませんが、全ての調和がとれた隠れた名曲だと思っています。
西藤公園
今君を抱き寄せて 大丈夫って言えたら
何かが変わるだろうか
見下ろした街と 見上げた星空だけじゃ
塗りつぶせないだろうか
back numberの曲の中で1番好きな曲かもしれません。次点に並ぶのは、チェックのワンピース、sympathy、stay with meあたりでしょうか。切ない曲が刺さります。
あとで書きます。
ハッピーエンド
さよならが喉の奥に
つっかえてしまって
咳をするみたいに
ありがとうって言ったの
次の言葉はどこかと
ポケットを探しても
見つかるのはあなたを好きな私だけ
気がつけば横にいて
別に君のままでいいのになんて
勝手に涙拭いたくせに
見える全部聞こえる全て
色付けたくせに
小説やドラマの文脈の中では、「幸せな終わり」の意味で用いられるハッピーエンド。けれども、この曲の中では「幸せの終わり」なニュアンスが溢れています。正直、内容としてはバッドエンドに近いかもしれません。
あとで書きます。
春を歌にして
春を音にしたような声で
もう一度僕を 僕の名前を
呼ばれた何も言えないから
せめて泣かないようにしよう
あとで書きます。
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