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ヒトに生まれてもうけもん

ヒトに生まれていなかったら、もしくは生まれる時代が少し違っていたら、たぶんわたしは長生きできなかっただろうな、と思っている。

よく考えてみれば、自然界は弱肉強食。常に強いものが勝ち残り、弱いものは敗れ、死んでいくのだ。中には、進化を遂げるものもある。弱い種のなかに強いものが生まれ、やがて進化に追いつかなかったものは淘汰されていく。

人間だって、動物なのだ。本来は弱肉強食。強くなきゃ生き残れないはずだった。でも今の時代は、日本という国は、一応「いのちは平等だ」というメッセージのもと成り立っている。弱いものには弱いものなりの生きる道があって、弱さが死に直結するわけではない。少なくとも、アフリカのサバンナとかと比べれば。

動物として強いか弱いかでいったら、わたしなんか最弱に近いだろう。強くなりたいと願ったりもしたけれど、まあ限界があるのだと思い知った。だからといって、それは死に直結しない。ヒトに生まれたのは、本当にもうけものだったなあ。

それなら、それなりで。子猫がいくらライオンに憧れてもそうはなれない。けれど、子猫なりの楽しみや幸せを見つけたらそれでいいじゃない。ライオンへの夢に囚われて、身動きが取れなくなってしまうより、よほどいい。

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