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読書ノート【倒れない計画術】メンタリストDaiGo 

みずから立てた計画がうまく運ばず、計画倒れとなってしまったとき、私たちはおおきなダメージを受けます。表向き「よくあること」と平気な顔をしていても、自己嫌悪に陥ることもめずらしくありません。というのも、私たちの心には「計画したことは達成させたい」という性質「一貫性の原理」があるからです。計画倒れは、自分との約束を破ったことになり、気持ちを落ち込ませます。

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計画倒れが続くと、常時「どうにでもなれ効果」状態になってしまうのか。自分との約束を守れなかったダメージは、自分が思っている以上に大きいということ。メンタルを安定させるためにも、計画上手になる必要がある。あまりにも計画倒れが続くと、そもそも努力することをやめてしまう体質になってしまうかも。注意。

上司もあなたの仕事の成果を評価するのであって、段取りの良し悪しには目を向けません。多くの人は自分が経験した計画倒れのことは棚上げし、第三者の立てた計画は滞りなく実行されると思い込んでいます。ですから、ものごとが達成される過程にはあまり目が向けられないのです。しかし、価値のある何かが生み出される過程には、必ず相応の準備があり、日々改善されていく段取りがあります。

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人間は目の前にある完成物に価値を見出す。段取りや準備が蔑ろにされやすくなる理由。計画通りに進まないのは自分も相手も同じこと。客観的に考えられないことが計画倒れになる理由の1つなのか?

私たち人間にもともと備わっている時間感覚はいいかげんなものです。複数の心理学の研究で明らかになっていますが、人は何かに取り組むときにかかる時間や労力を軽めに見積もってしまう傾向があります。

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計画錯誤の説明。理解していても陥ってしまう。対策としては実際にやってみてどれくらい時間や労力がかかるのかを記録していく。歪みを直していく作業。または他の人にかかる時間などを見積もってもらうこと。計画錯誤は客観性が欠けることで起きる現象。

私が大切にしている段取りの基本は、やるべき1つのタスクに対して自分のモノサシで測った必要な時間を先に確保し、その時間内で終わるように集中するというサイクルです。

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マルチタスクの完全否定。基本はシングルタスクで集中してやり切る。タイムボクシングと同じ考え方。集中力を身につけるよりも、まずは集中すると決めた時間を確保することが先となる。いろいろな技術やスキルがあるが、身につける順番は重要なのかもしれない。この場合は、集中する時間を決めることが先にあり、集中する環境を整えるのが次に行うこと。

ある実験データでは、マルチタスクが作業効率を40%低下させ、シングルタスクに比べて作業時間が50%長くなり、作業ミスが50%増加するという指摘もあります。また、複数のタスクを切り替えながら仕事をすると、切り替え時に集中力が途切れ、途切れた集中を取り戻すには25分かかるというデータも。マルチタスカーが立てた段取りどおりに仕事ができる可能性は限りなく低いのです。「あれもこれもできる」という誤解が段取り下手な自分という自己評価につながるわけです。

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マルチタスクは百害あって一利なし。集中力が切れたら戻るまで25分もかかってしまう。スマホは最低でも25分以上は近くに置かないようにすること。自分の処理能力を把握することが計画倒れを防ぐ一歩となる。

確証バイアスが働くと、人は「こうあってほしい結論」ありきの理由を集めて計画を立ててしまいます。本来であれば「理由→結論」という判断をすべきところが「結論→理由」の順番になってしまうのです。その結果、段取りが崩れ、目指していたゴールにたどり着きそうもないと分かったとき、モチベーションが一気に下がり、投げ出したい気分になります。これは心理学の世界で「どうにでもなれ効果(The what-the-Hell Effect)」と呼ばれるもの。

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確証バイアスとは、「こうあってほしい結論」を思い定めたとき、それに合う情報だけを集めてしまうこと。視野が狭くなっている状態。客観的ではない状態。合わない情報は無視してしまう。確証バイアスのせいで誤った判断をしてしまう。それにより「どうにでもなれ効果」につながる。

1章では、段取りの誤解という形で、段取り上手な人と段取り下手な人の隔てている3つのポイントを紹介しました。1つ目は、「モノサシを持つこと=自分の動作にかかる時間、労力を数値化しておくこと」。2つ目は、「シングルタスクに徹すること=自分が『今、何に集中すべきか』を考えて優先順位をつけていくこと」。3つ目は、「挫折を計画すること=挫折、失敗、計画外のことの発生をあらかじめ段取りに盛り込んでおくこと」。

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前章までのまとめでわかりやすい箇所。時間感覚、シングルタスク、挫折を計画に組み込む。この3つを入れて段取りをすること。

私たちが段取りを立てるのは、目標を達成して、何らかの成果を得るためです。しかし、その成果やゴール地点の設定が間違っていると、段取りどおりにことが進んでも求めたリターンや充足感が得られません。

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ゴールや目標の作り方を間違えると、それまでの準備や努力が無意味になることも。最短でゴールにたどり着くことは難しくても、ゴールへの方向だけはずれないようにする。そのためにゴールの作り方を学ぶ必要がある。

そんな「MACの原則」はM、A、Cの3つの要素から成り立っています。
Measurable
測定可能性=目標(ゴール)が数字として測定可能なこと
Actionable
行動可能性=目標(ゴール)を正確に把握し、そこにたどり着くまでのプロセスを明確に書き出せること
Competent
適格性=目標(ゴール)を達成することが、自分の価値観に基づいていること

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MACの原則のまとめ。ゴールの作り方の原則。3つ全てが揃っていることが条件。とくに適格性は落としやすい項目なのかも。

人間が意思の力で誘惑に抗える可能性は50%だと言われています。ということは、意思の力だけで段取りをつけられると信じている人は、2回に1回は失敗する可能性があるのです。

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意志力は50%。これが最大値だとすると、実際は半分くらいの25%だと思っておくべきかもしれない。だから意志に頼らずに習慣化する方法が必要となってくる。If-thenプランニングとか。

現実には受け身のスケジューリングはあなたにとって大きなストレスとなり、生産性を下げる原因となっていきます。少なくとも「今日という1日を自分でコントロールする」という意識は持ち続けましょう。そのために、毎朝10分ほどその日の予定を考える時間をつくるることです。

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人から干渉されやすいスケジュールは、ストレスとなる。できれば自分でスケジュールをコントロールできればいいが、会社員では難しい。だから呼び時間を作ったり、コントロールから外れない工夫をすることで、生産性をキープできるようにする。マイクロマネジメントがダメな理由。

簡単に言えば、事前に「サボる日」を予定に組み込んでしまうというもの。張り詰めてがんばり続け、どこかで緊張の糸がプチンと切れ、「どうにでもなれ効果」のような強い反動が出ることを抑えます。

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サボる日をあらかじめ決めておく。チートデイのこと。知っていることだけど、実践したことはなかった。すぐにできること。試してみる価値大。

これらの実験を通じて、チートデイの目安は2週間に1回のペースで、全体の活動量のうち15%程度がよいということも分かってきました。

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ここまで分かっているのか。試さない理由はない。人間の性質を理解する研究が進んでいることがよく分かる。

しかし、そうした成功者の成功法を鵜呑みにして、まねをしたとしても目標達成率は上がりません。なぜなら、ゴールを達成した人は自分のやったことの中で、記憶に強く残っているものが有効だったと思い込む傾向があるからです。客観的に見て効果のないやり方だったとしても、本人はそれが成功を下支えしたと信じ、人々に勧めます。学ぶ側は、「成功者の言うことは正しいはずだ」と受け入れて、まねしていきます。つまり、本当に効果のあったこととそうでなかったことを切り分けていないため、まねをしても願ったほどの効果が出ないのです。

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二重に客観性が欠けて起きる悲劇か。伝記などは参考にしてもいいけど、そのまま真似をしてもダメ。成功者の言うことは絶対として、根拠なく信じるのはダメ。「まずは信じてやってみましょう」という情報商材を作っている人が、悪意なく伝えている理由はこれと同じ現象かもしれない。


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