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深呼吸の大切さ。香りが思い出させてくれた。

心地よい香りに包まれると「あぁ、しあわせ」という気分になる。
自分がいい、と思う香りは人それぞれだろうけど、それがどんな種類のものであれ、「今、わたしはしあわせを感じてるんだ」
この部分を理屈なくダイレクトにカラダで味わっていることが心地よさにつながっているのだと思う。

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最近、中学生になった息子が香り付きの紅茶にハマり出した。

アールグレイ、ショコラ、バニラ、キャラメル、ポワール、アプリコット、ローズ…
いろんな種類があるんだね、とネットを検索しながらつぶやく。

せっかくなので専門店に出向いてみた。いいにおいだねとクンクンする親子ふたり。実物を目の前に本気で欲しくなったようで、迷いに迷いつつ2種類にまで絞り込み、購入する。
なんと支払いは息子自身。本気のお買いものです。

マスカット紅茶はフルーツフレーバーの中では一番人気だそう。
「バースデー」と名前がつけられた茶葉にはバニラの香りにローズやマリーゴールドの花びらと甘いフルーツの香り付けがされている。

茶葉の量を量って。お湯を沸かして。3分待って…。
自ら淹れた紅茶の味にご満悦。
目が見えなくなるくらい細めて「美味しい」とつぶやく表情がまだまだ可愛いな、とか思ってしまう。

わたしにも淹れてくれました。

紅茶を飲みながら甘い香りを深い呼吸とともにゴクリと呑み込む。
香りの魔法とともに縮こまっていた呼吸器も開いていくよう。
美味しい。

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仕事+所用で少し帰りが遅くなったとある日。
少しめまいを感じた。
ベッドに横になるも目を閉じると洗濯機の中にいるみたい。ぐるぐるして気持ち悪い。洗われる側の辛さを味わいつつ、ふと気づいたのが呼吸の浅さだった。

窮屈な空間で少し体がキュッと縮こまっていたかも知れない。ちょっとだけ気遣いも要するような雰囲気もあった。周りも緊張してたかも知れないけれど、わたし自身もそれなりに疲弊していたことに気づく。

鼻から息をたっぷり吸い込み、口からゆっくり吐く。
肺を大きく膨らませたり、お腹を風船のように膨らませたり。
足りない酸素を脳へ送るイメージでしばらく深呼吸を続ける。

眼窩も指圧すると気持ちいい。
今日はさっさとお風呂に入って、早めに寝てしまおう。

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窓を閉めていても聞こえていた夜半の雨音。
ついに降り出したか。
台風はいつかは通り過ぎる。静かにその時を待つ。

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6時過ぎに目を覚ますもベッドでぐずぐず。
お腹をマッサージしたり、日課のゆるヨガに、ここ1ヶ月継続している軽い筋トレも。
7:15。7:46。
時おり目に入る目覚まし時計に目を向けつつ、全ての工程を丁寧にこなしていたら…あっという間に8:22。
こんな時間になるまでセルフケアしてたとは。
ばか丁寧にカラダに向き合えた時間をありがたく受け取る。

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午後3時。
雨も止んで息子は遊びに出かけた。
バドミントンやろうと友達にLINEしたら剣道しようと冗談半分本気半分の返信。
息子はスポーツチャンバラのヘナヘナになった竹刀に空気を入れて素振りをしてる。友達は100円ショップで竹刀を調達するらしい。本気でやらないようにね、と一応声がけ。

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わたしはといえば。静かになった部屋の窓辺に座り、湿り気を帯びた外気に時おり流れる涼しげな風を味わっていた。
昼間に空調なしで部屋にいるのは久しぶり。気持ちいい。目を瞑る。

濃い緑のムンムンした香りとともに、うっすらと甘い花の香りが漂ってくる。
外を見るとお隣の敷地に絡まる小ぶりの花を見つける。
爪の先ほどの花でもこんなに薫るのだ。
命あるものに意識を向けるほど、力強く存在を訴えてくるんだな。

と、どこからかタバコの香り。
深く吸い込む息を控えめにしてみる(20%くらい)。
嫌だな、と感じると体はすぐに反応をする。
触れる範囲を狭くしたり、感覚を閉じようとしたり、まるで何も起きなかったかのように振る舞ったり。

わたしが自然の息吹にうっとりするように、タバコに至福の一服を求める人だっている。
それでいい。あっていい。
煙も流れていくのだから。

心も心のままに。感じるままに。
ジャッジしてもいいし、わたしなりの色をつけてもいい。
でも、流す。
雲も流れる。
明日はまた暑いのかな。

ちゃんと呼吸をしようと思う。



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