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丸紅、ガビロン大減損の教訓 脱「浮沈経営」へ一歩

 小粒でも確実な厳選投資に軸足。

新規投資から見込める利益を当期予算化すると、どうしてもやりたくなってしまうので、蓋然性と適正価格が納得するものだけ投資実行する。これができると企業も個人も深追いしなくてよくなる。

投資家が求める最低限のリターンである「株主資本コスト」は、丸紅が約8%と5大商社のなかで最も高い。

古谷孝之最高財務責任者(CFO)は「投資は戦略ありきで、決して投資そのものを目的化したり、大きな利益を買ったりするような投資はしないことを明確に決めた」と強調する。中・小型案件を着実に積み上げる手法は財務にも好影響を与えている。22年3月期末に純負債資本倍率(ネットDEレシオ)を1倍程度にするという目標を、21年3月期末に1年前倒しで達成したのだ。

例えば、21年3月期に300億円弱で買収したブラジルのサンテル。衛生用紙や紙おむつなどを合わせた「ホーム&パーソナルケア(H&PC)」用品メーカーだ。人口増と経済成長で急拡大する世界第4位のブラジル市場でサンテルのブランド力を生かして成長を取り込むほか、高齢化で大人用紙おむつの需要拡大も見込む。


丸紅、ガビロン大減損の教訓 脱「浮沈経営」へ一歩

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