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斎藤アレックス議員(維教)2024年3月15日 衆議院法務委員会

裁判所職員定員法改正に絡んで、斎藤アレックス議員(維教)が共同親権の質疑をしていたのでお知らせします。
民法改正案(共同親権)が提出されたことにより、共同親権について質疑する議員が増えていることもあり、すべてを正確に書き起こしすることが難しくなっております。
今後は、質疑の要点をピックアップしてお知らせすることもあるかと存じます。ご了承いただけますと幸いです。

斎藤議員
私、昨日本会議に登壇させていただきまして、小泉大臣にご答弁いただきましたけれども、今国会で民法改正案が提出されておりまして、そのことが大変裁判所の事務機能に対して影響を与えると私は認識しておりますので、本日の法律案に関連して民法改正案でどのような裁判所の体制が必要かという観点で何点か質問させていただきたいと思います。
昨日も申し上げましたが、民法改正案成立ということになりましたら、裁判所の果たす役割は大変増えると。離婚時に父母の協議が整わない場合の有権者の指定と、協議離婚の後に改めて親権者を裁判所が変更するか否かの判断をすることもあるでしょうし、また親権の行使にあたって、共同親権を持つ父母の意見が合わない場合にそれを調整する役割も裁判所が果たすことになります。
こういったことを拝見していますと、様々な団体の方が家裁の役割が大変重要になると、財源措置も含めて考えていかなければならないと仰っていますし私もそのように感じますけれども、まず前提として最高裁に伺いますが、民法改正案は今審議をされていますので、民法改正案を念頭において今裁判所の体制を整えたりとか、何か検討するということはまだ行われていないという理解でよろしいか伺います。

最高裁総務局長
民法改正案につきましては、先日国会に提出されたものと承知しております。本年度の裁判所職員定員法改正にあたって、これを念頭に置いているわけではありません。

斎藤議員
昨日小泉大臣にご答弁いただいたときには、しっかりとした体制整備が裁判所のほうで行われると考えているという旨の答弁がありましたけれども、その件に関して最高裁に伺いますが、今回の民法改正案が成立するということになりましたら様々な団体が指摘しているように、家裁の役割が大幅に増えると認識されているか伺います。

最高裁家庭局長
現段階において、裁判所として確たることを申し上げることは困難ではありますが、仮にご指摘の民法改正案が成立し施行されたならば、家裁に期待される役割はこれまで以上に大きくなるというのは、委員ご指摘の通りだと考えます。

斎藤議員
その点に関して、どのような役割拡充が必要なのかと伺いたいですが、すでに単独親権のもとで監護や親権に関する調停・審判などは行っていますし、また成年後見制度に関連して審理数が増えているという話を伺っていますので、どのような業務が増えるか、どのような人員が必要なのかというのは現時点でもお答えいただけるのではないかと思いましたがいかがでしょう。どのような機能充実が必要と認識されているかご答弁いただきたいと思います。

最高裁総務局長
裁判所におきましては、事件動向や事件処理状況等を踏まえ、必要な人的体制の整備を図っているところでございます。例えば、監護や親権に関する審判、調停事件が増加するなど、ある部署において急激に事件数が増加した場合には、まずはこの事件を処理する当該裁判所において必要な処理体制を構築することになりますが、その場合には他の事件動向や事件処理状況も考慮しつつ、地家裁を含め事務分配を見直したり、応援体制を構築したりして必要な体制を整備することになります。
また、最高裁に起きましても、各裁判所の事件動向や事件処理状況等の客観的な統計数値を考慮しつつ、高裁を通じる等して把握した各地の実情も踏まえ、全国的な見地から必要に応じて人員配置を見直すなど、体制を検討して整備していくということになります。
このように、最高裁や各裁判所が連携しながら必要な裁判所・部署に適切に人員を配置してその時々に見合った合理的な体制を整備し、各種の事件数の増加にも対応しているところでございます。

斎藤議員
現時点では他の部署や全国的な他の裁判所で調整して対応しているという一般論でお答えいただいていると思いますが、ざっと見ただけでも本当に業務が増えるんだろうなと推測できると思います。
裁判を行うのは裁判所なので、法務省に関しては直接何かを指示したりする立場ではないと思いますけども、それでもこの法案の成立によって裁判所にどのような影響が及ぶか、どういった体制整備が必要か、財源措置は必要なのかということは、2年以内に施行されるという法案になっているので、緊急の課題として取り組んでいかなければならないし、それができなければ共同親権を選択可能とする法律案が成立・施行されるときに大混乱が起きかねないと思いますが、その問題意識をお持ちになっているのか、改めて法務大臣に伺います。

小泉法務大臣
大変重要なご指摘だと思います。非常に実効性を考えた場合に、民法改正によって家裁が果たす役割・機能的な部分、非常に重要なものがあります。
それがどのくらいの仕事量になるのかまだ図りかねる部分はありますが、そこがしっかり稼働していくことが法案を誠実に施行することに繋がると思います。
裁判所が判断されるべき事柄でありますが、法務省と裁判所は日頃から常々意思疎通や情報共有をしております。この法案の中身もよく説明してあります。我々は行政権ですから、司法権に対して指示はできませんが、意思疎通や情報・問題意識の共有はしっかり図ってきたつもりではありますが、国会審議も踏まえながら、そういった点について齟齬が生じないように共通意識を持てるように、また法案成立後は正しく公正に稼働できるように裁判所の体制、我々も協力していきたいと思います。

斎藤議員
関連して財源に関しても、機能拡充ということであれば財源が当然必要になるのであろうと想像できますが、来年・再来年にかけて財源についても何らかの取組をしていかなければならないと認識しているのか、現時点で検討していることがありましたら教えてください。

法務省
今質問にありました財源の意味が最高裁予算ということであれば、それは最高裁において検討されるものと承知しております。

斎藤議員
法務省と司法の分掌行政が異なりますので、そこは最高裁で財源が必要であれば検討し国会に出していただくということですが、いずれにしても法改正によってどのような趣旨で法改正がされてどのような業務が増えるのかというのは国会審議でも明らかにしていかなければならないと思いますし、どういった基準に基づいて裁判所が判断していくかは昨日も質問させていただきましたが、国民の皆様がわからないと、この法案に対する不安が高まるだけだと思いますので、この審議のあと民法改正案についてはこの委員会で審議をされるということですけれども、しっかりと答弁していただきたいと思います。
先取りという形になってしまいますが、民法改正案についても何点か質問したいと思います。
昨日、離婚届の様式変更について質問をさせていただきました。具体的には、親権者と別に監護者というものの記入欄を設けるのかと質問させていただきましたが、様式については今後検討されるということでした。もう一つ離婚届の様式について伺いたいのが、民法改正案が成立すれば、共同親権・共同監護となる父母と子どもの関係が出てくることになります。都度父母間で協議が整わなくて、学校どうするか・病院どうするか・留学させるのか等といったことがある度に裁判所に調停を申し立てることが大変時間がかかりますし、父母や子どもの負担も大変重くなってしまうということで、予め計画を作って、こういったときはこうすると決まっていない分野があるときは父母どちらが決めるみたいに計画を定めることをやっている共同親権の国も多いわけですが、そういったことを促していくことの重要性は法務大臣からも答弁頂きました。いま離婚届の様式を見ると、面会交流や養育費の定めについてチェックするところがあって、その取り決めの方法に関するパンフレットのQRコードが貼ってあって、これを見てちゃんと話し合ってくださいと書いてあるんですが、本当は講座など開いてしっかりと勉強していただく、計画に関しても立てていただくことをその講座の中で促していくことが望ましいと思いますが、離婚届の様式に記載していくことも重要だと思うのですけれども、離婚届の内容の拡充やパンフレット、今は面会交流と養育費のことしか書いてないですけども、協議が整わない場合があると煩雑になるので、予め決めておきましょうという指針の配布を念頭においていたり検討していたりするのか伺います。

小泉法務大臣
貴重なご指摘だと思います、法案成立後の話にはなりますが。子の養育に関する事項を予め取り決める、子どもの利益にとっては望ましいことだと思います。また養育計画書の作成促進、これは行政としても重要な課題だと改めて認識を深めました。離婚届のチェック欄は、法改正の趣旨に則って、具体的にどうするかは検討して今あるものを改変していきたいと思います。

斎藤議員
先ほどの裁判所の体制の話と直結しますが、予め合意をしていないと、裁判所に調停を求める元夫婦が大変増えてしまって、業務量が適時適切に処理できないと調停できずに、親の協議が整うのを子がずっと待たなければならないことになり、それは子にとって不幸になってしまって子の最善の利益にならないと思いますので、事前の協議を促していくような取り組みを離婚届のなかに案内していただくことも有効だと思いますので、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。
次に全体の話になるのですが、昨日の質疑のなかでも他党の議員からの質疑にもありましたが、今回すでに反対・賛成が大変鋭くなっている法案だと思います。子の最善の利益を追求するのはどちらも同じだと思いますが、最善の利益にならないと強く訴える方もいらっしゃいますし、子の最善の利益のためには共同親権は必要だと訴える方もいらっしゃいます。それがいずれも個人ごとになっているので激しい意見の対立になってしまっています。
特にそれが極端というか、特に強く懸念があげられている方々がよく仰るのが、共同親権になってしまうとDV夫と関わらないといけないとか、DV夫に子どもを会わせなければならないといった懸念の声が上がっていますけれども、この点に関して民法改正案はそういった法律ではないと検討されていると思いますが、その点を答弁頂きたいと思います。

小泉法務大臣
この法案は、子どもの利益を第一にしていこうとがっしりと中心軸に置いておりますので、DV被害にあった夫婦関係であれ親子関係であれ、DVからその子の成長を守る観点から措置を講じていこうという仕組みになっております。

斎藤議員
つまり、私が言うのも変ですが、DVや虐待案件があるときには単独親権になるし、それによって共同親権が可能な法案ができたからといってその元夫婦に関して必ず共同親権になるわけではなくて、しっかりと事実認定を行っていくということだと思いますが、その時に問題になるのがDVがある・ないの判定が大変難しいと。言い出せない方もいるし、立証しなくても今は単独親権だから何とかなると離婚してしまって単独親権になって問題があったら覆い隠しているみたいな場面もあると思うなかで、共同親権になるとそういったことに向き合わなければならないという不安があると思います。
そのためにはどういったふうに事実認定をするのか、裁判所がその機能をしっかり果たしてくれるのかというところは不安を抱えているところだと思います。これは共同親権を推進する立場からも同様だと思います。
なかには私はDVをしていないのにしたと認定されて子どもに会えなくなってしまったと仰る方もいらっしゃいますので、この認定についてはますます重要になるし、民法改正案の争点にもなると思いますけども、その部分の不安の解消が今の答弁ではされないと思います、いかがでしょうか。

小泉法務大臣
あまりに概括的に申し上げすぎたと思います。申し訳ないです。
今回の民法改正案では、これまで通りDV被害にあった方々に加害者との面会を強制するものではまったくありません。また、裁判所の判断によって、単独親権でなければ子どもの利益が守れないケースは単独親権を決定するかたちですので、とにかく子どもを守っていこうというところから厳格に場合分けをして、単独親権・共同親権の選択を認めますけども、子どもの利益が守られない場合には単独でいくと、はっきり明示しております
また、判定の仕方ですが、例えば父母の一方が暴力等を受ける恐れがあったり、子の心身に害悪を及ぼす恐れの有無、これを判断するわけですが、当事者の主張だけではなくて、客観的に見たDV等の恐れ、これを基礎づける事実、またそれを反対側から否定づける事実、それらを総合的に考慮していこうということになっております。非常に慎重に・丁寧に、子どもに危害が及ばないように、その家庭を守れるように、そういう仕組みを慎重に丁寧に原案を作ろうとしているところです。

斎藤議員
改めて今の答弁を受けて、裁判所の体制について一言申し上げたいのですが、当事者の言っている事だけではなくて、しっかり調査・事実認定をしていくという話を聞いただけで裁判所の業務が膨大なものになるということは想像できます。裁判所のほうで一義的に考えられることではありますが、現段階から詳しく何を目的として民法改正案を作って、どういった体制整備が必要か、これまで以上に密に連携・相談をしていただいて、早ければ2年以内の施行となりますので時間があまりないと思います。
どう体制整備をしていくのかは大変重要な課題ですし、一般には多くの方が危機感を持っているところだと思いますし、裁判所の体制整備は民法改正案に絡めても大変重要になると思いますので、その点お願いを申し上げて質問を終わります。

法務大臣は「これまで通りDV被害にあった方々に加害者との面会を強制するものではまったくありません」というけれど、2012年民法改正で面会交流という言葉が明記されたことによって面会交流原則実施の運用を取られてしまったDV被害者達には全く響かないし、信用できないです。

書き起こしは以上。
誤字脱字があったらすみません。
※池下卓議員(維教)と日下正喜議員(公明)も共同親権に近い質疑をしておりましたが、書き起こしは割愛させていただきます。


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