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スカイとの出逢い

スカイのことを知ったのは、半年前、とあるドッグレスキューの里親募集の掲示板。スカイは12歳のチベタンスパニエルで、保護犬ではなく、飼い主さんの高齢という理由の里親募集だった。当初は近隣県のみという里親の地域制限もあって、どうかいい里親さんが見つかりますようにと、祈るのみだった。

ニマを見送って一年を過ぎ、また犬と一緒に暮らしたいと思い始めた頃、様々な状況を踏まえれば、仔犬から新たに迎えるのは難しい。それでも数多あるシニアの里親募集を見ながら、やっぱりチベタンスパニエルと暮らしたい、それは難しいのだろうなと半ば諦めにも近い気持ちで、過ごしていた。

数ヶ月して、ふと思い返し、スカイの里親募集の掲示板をみると、地域制限が無くなっていた。もし縁があればと問い合わせた所、直接届けることが決まりでもあった故の地域制限が、里親が見つからず、制限を外したとのことだった。そして、是非話を進めたいと連絡が入った。

実は、問い合わせの際、ニマのツイッターのアカウントをお知らせしていて、この方ならと判断されたようだった。遠方ゆえ、連れて来る前に一度訪問することになった。そして、新幹線に乗ってスカイに会いに行った。

お家に伺い、出会った瞬間、なんだこいつ?侵入者か?とずーと吠えられ通し。でもそれは、想定内。チベタンスパニエルは、単なる愛玩犬ではなく、チベットの寺院で侵入者を知らせるという役目を担っていたといわれている。ニマもよく知っている人でさえ、家の中では見張っていて、変な動きをすると吠えていた。
そんなこともあって、鹿肉ジャーキーを持参。もし、本当に神経質過ぎる子なら他人からオヤツももらわないし、対応策を考えなければいけないと思っていたから。ところがそんな不安はなく、最初はちょっと警戒していたものの、すぐに私の手から食べ、もっとくれと、要求する。その後もずっと吠えられてはいたけれど。食欲のある子は、きっと大丈夫。健康に不安を抱かせることにはならないはず。

そして、帰り際に外まで見送りに出てきたら、リードを私が持っても平気、撫でさせてくれ、私の顔を舐めそうなくらいに喜ぶ。あぁ大丈夫、ニマと一緒だ。やはり犬種の特性もあるのだなぁ、と思った。

暑い時期の移動は避けて、来月末に家まで連れてきてくれることを決め、お別れした。
とても大切に飼われていたスカイ、親戚のお家に預けるような気持ちでいていただければ、とお伝えした。 終生飼育には、自分で十分に飼育ができなくなった時に、信頼できる他人に委ねるという選択も含まれるのだと思う。最後まで拘泥し、共倒れになる前に行う、その選択は尊いもの。覚悟はしていても、別れるのはとても辛いことだから。私はそのことを知っているから、そう思う。

ところで、今回、是非話を進めたいとの連絡を受けたのは帰宅中のメール。母に知らせようと、家に戻るとなぜかトンボが部屋に入り込んでる。夜にトンボ?と混乱しつつ、どうも私と一緒に入ってきたようで、ひと騒動でお外に出ていってもらった。そのあと、ああ、あれはきっとニマが一緒にお母さんに知らせたくて、わかるように入ってきたんだなあ、と得心。
ニマが見守ってくれる。そんな風に信じることができた瞬間だった。
ニマ(チベット語の太陽)からスカイ(空)へ
#スカイのこと


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