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スカイが家にやってきた

2019年10月27日、スカイが家にやってきた。小さなキャリーバッグに入って、北陸新幹線にのって、電車を乗り継いで。仲介のボランティア団体さんの決まりは里親宅まで連れて来ること。そして、元飼い主さんはキャリーバックを抱えて家まで来てくれた。

スカイは、家に来ると、吠えることなく、長らく小さい空間で縮こまっていた身体をほぐすように、歩き回り、新しい場所を確認し、水を飲む。気後れすることのない、そんな姿を見て、皆で大丈夫そうだとそっと安堵した。

それから、散歩がてら、お見送りをすることに。スカイは散歩が嬉しくて、誰がリード持っているかも気にすることなく、子犬みたいに飛び跳ねながら、歩いた。お別れのとき、元飼い主さんは声をかけることも、振り返ることもなく、歩いて行った。それは冷たいのではなく、決心の表れだったように思う。だって、スカイが家に来ることが決まってから一月、甘やかして、食べさせて太らせていたから。

スカイは一声だけ、去っていく後ろ姿にクゥンと小さく鳴いた。追いかけようとするスカイを留め、家へ帰る道すがらもスカイは何度も何度も振り返った。それでも私に着いてきてくれる、抱っこもさせてくれる、従順な子だった。全く知らない場所でまだよくわからない人に連れて行かれるなんて、この先どうなるのか、不安だろなあ、あぁでもニマよりずっと従順だ、元飼い主さんも寂しいだろうな、いろいろと感傷的になりながら、家まで連れて帰る。

スカイは家の近くまで来ると、先に戻っているのじゃないかと、少しの希望を持ってすぐに家に入って探す。いないとわかると、立ったまま外を見て待つ。どれだけそうしてたかな、しばらくして漸く伏せをした。そして耐え切れなくなって、ゴロン。

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その姿を見ているときが、一番切なく、家に馴染むまでどれほどの時間が必要なのだろうと、ちょっとだけ途方にくれた。
でもそれは思ったよりもずっとずっと早かった。その日の夜、用意したぬいぐるみに興味を示し、見せてくれた表情に心からほっとした。

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#スカイのいる暮らし #里親 #チベタンスパニエル



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