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「水筒忘れた」の話
「水筒を忘れた」と言った小学生に対し、先生が「知りません」と言った、というツイートを見かけた。
ちょっと聞きたいんですけど、水筒を忘れたと申し出てきた子に「知りません。明日からちゃんと持ってきなさい」で終了って普通の対応ですか?低学年の子ですよ。運動会の練習があったんですよ。もちろん忘れたのが悪いけど、水筒忘れたら子供の命が危険にさらされるのかと驚愕しています。(https://twitter.com/hanako10953239/status/1301060218822955008)
お母さん同様、私も驚愕した。「水道のお水、飲んでいいよ」と言えばすむだけの話ではないか(低学年の子というのは、水道の水を飲んでもいいと思っていないことも多い)。何を威張ってんねん、この先生は、という感じである。しかし、リプライには、共感もあったものの「自己責任」とか「どこまで先生に頼るんだ」とかいう声も殺到していた。怖い社会である。
こんな風に「厳しくしないと成長できない」と思っている人は多い。けれどそれは多分ウソである。水筒を忘れても何とかなる、そんなことは大したことではない、と理解してもらった方が、きっと子どもは伸び伸びすると思う。怯えからは何も生まれない。
この手の「ズレた厳しさ」はあちこちにあり、例えば「先生トイレ!」と言う子に対し、「先生はトイレじゃありません」と返す人もいるそうだ。誰も先生がトイレだなんて思わないのだから「トイレに行きたい」に決まっているではないか。言い直しをさせている暇があったら、とっとと行かせてあげればいいと思う。これが通じないなら有名な「僕はウナギ」構文も成立しないことになる(食堂で注文するときに、「僕はウナギにする」と言わず「僕はウナギ」というのは普通のことだ)。気を利かせて「あなたは天ぷら?」と訊いたのに「私は天ぷらなんかじゃありません!人間です!」と返されたら食事前のウキウキも吹き飛ぶというものだ。
まあ、家でのんびりしているときに「お茶!」などと言われたら「お茶が何ですか」くらいは言うだろうとは思う。人間、単語で会話するものではないし、トイレと違って、切羽詰まっていないからである。ただ、「正しい日本語を教える」という信念も、状況を判断しながら発揮してもらいたいと思う。
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