大阪赤信号点灯

 アホか、と言いたい。大阪、病床逼迫につき、赤信号点灯である。何がアホか、ということを以下に述べる。

 まず、信号の色設定である。国の対応がもたついていた時、吉村知事は張り切って「大阪モデル」を打ち出した。はっきり言ってこのモデルに医学的根拠はさほどなく、「頑張ってる僕」アピールだったのだが、多くの人はこれを賞賛した。そして一旦感染者数が減った時、あっさりこの基準を変えた。私の頭の中で本格的に「維新アラーム」が鳴ったのはこの時だ。この後、大阪は「赤になったら住民投票はしない」として、「絶対に赤にならないような」というか「赤になったら終わりやろ」くらいの基準を持ち出し、モデルを変えに変えに変え、住民投票を決行した。その結果は2度めの否決である。

 次に、対策である。維新がコロナに対して有効な対策を立てたところを見たことがない。橋下は住吉病院を潰し、松井は十三市民病院をいきなりコロナ専門病院にして離職者多数、使いもしない雨合羽を集め、それを積み上げて消防法違反、府が得々と謳う感染対策シールは自分でダウンロードできるもの、医療従事者には寄付金でクオカードを購入し、吉村が自分のサインを入れて配る(現金ではない)、通天閣と太陽の塔をライトアップ、医療体制を整えることにつながる対策など、何一つない。

 そして対応の遅さである。コロナ対策を何一つ行わないまま放置、全国知事会議は欠席してテレビに出まくって「やってるアピール」、けれど「9月にワクチン」も嘘、「イソジンうがい」でインサイダー取引疑惑、府立高校でオンライン授業が整備されたというのも嘘、挙句、この時期になって「不要不急の外出は控えて」の呼びかけしかできない。

 政治というのは、万が一の時に備えて備蓄をし、利益が出ないけれど有用なところに税金を使って機関を守り、健康で文化的な最低限度の生活を守ることではないか。公務員を敵認定して人件費を削り、病院を潰し、支持者の私財で図書館を作り、都構想が否定されたら総合区という「中身は都構想と同じ」案を平気で出してくる。どう見てもおかしいのだが、それをおかしいと思わない人たちが今日も「吉村知事お疲れ様です!」と言う。早くまともな政治のできる人が現れないかと願うばかりである。


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