Go To トラベルのドタバタについて

 今日、知事からの要請を受けてGo To トラベルは大阪と北海道を除外する、と発表された。そもそもGo To トラベルなんて、名前からしておかしい。「レストランに行く」と「旅行に行く」の「に」をどちらもtoで表しました、という、「日本語から英語を考える発想」に基づいた変てこりんな表現である。とそれはさておき、今回の停止騒ぎについて、ちょっと考えをまとめておく。

 実は私は、Go To トラベルは止めなくてもいい派である。こういうことを言うと「感染が拡大しているのに何という無責任な」と思われるだろうが、ウイルスを持っている人が移動するから拡大するので、大部分の人は健康体である。健康な人はどんどん外に出てお金を遣えばいい。それを、十把一絡げに「全員ステイホーム」というのは、4月のあの無意味な自粛の二の舞だ。みんなが十分に注意して(感染していないという確証とともに)旅を楽しめばいいだけの話ではないか。そして問題なのは、感染していないという確証がきちんと取れない、ということである。

 ではGo To トラベルそのものにも賛成か、というと、それは全く違う。理由は二つある。一つには、もともと「感染が収束した後での、経済を回復させる策」だったはずなのに、一向に収束しないうちにこんなことを始めてしまったのは愚かだ、ということである。収束しない、ということは、何をしたら感染し、何をしても大丈夫なのか、というガイドラインが一向にできていなかったということだ。これはPCR検査をしぼり、かつ感染経路や感染パターンの傾向をしっかり摑まなかった国の責任である。二つめは(こちらが重要なのだが)、Go To トラベルで救われるのは誰なのさ、という問題である。Go To の恩恵を受けるためには、サイトに登録しなくてはならないし、予約が入るたびに手数料を払わなくてはならない。旅行業を救うように見せかけているが、要するにサイトの運営会社を儲けさせたいのである。これも早くから指摘されていたのだから、もう少しマスコミがパシッと取り上げてもよかったのではないかと思う。結局、お友だちを早く儲けさせようと焦った政府が、私たちの税金を変なところに遣い、感染の再拡大で経済は潤うどころか再び暗雲が立ち込める、といったところではなかろうか。

 Go Toイートも同様だ。こちらも儲かるのはまず「サイト運営会社」である。こんなことをする暇があったら、常連さんと仲良く温かく楽しんでいる小さなお店に、直接お金を配ればいいのだ。

 よその国でも経済支援として様々な政策が取られている。諸外国ではこれらの政策にいちいちお友だち企業をはさんで「中抜き」をさせているのか、ちょっと調べてみたいと思っている。

 








 

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