安定感を目指して(戦術編)
なんて言ってみたい
じんです。
ご覧頂きありがとうございます。
今回はレースにおける「戦術編」
<目次>
1.選手権の戦術
2.記録会の戦術
3.実際のケース(目標設定→戦術)
1.選手権の戦術
<特徴>
・持ちタイムに差が出やすい
・日中に開催するため、暑さや風がある
(展開が変わり易い)
・順位次第で次のステージに繋がる
<対策>
①事前情報を得る
ライバル選手の持ちタイムから「スピード・スタミナの有無」、過去の大会順位から「安定感の有無」をチェック。
自分の立ち位置を理解し、同程度の選手を目標に試合を進めることが安定感に繋がります。
②自分の強みを最大限活かせる展開で臨む
練習でやってない事は試合では出せないもの。
変わり易いレース展開に合わせていつもと違う展開で臨むと、失速してしまうことが多いです。
<スタミナタイプの方>
☑︎5000mであれば、3000m位までは狙っている順位の選手を逃さない程度に、得意なペース帯で淡々と刻み、個人的にはラスト3-5周からのロングスパートがおすすめ。
⇒メニューの後半で「1600-2000mをレースペースと同程度以上の速さで1人で押し切る練習」を重ねることで再現可能。
☑︎実力があってラストスパートだけが心配なら、ハイペースで独走し、早々に後ろを諦めさせるのもありだと思います。
(悪条件下ではおすすめしません)
<スピードタイプの方>
スプリント勝負のため最後まで力を温存したい。ペース配分に注意し、中盤までは後方で一定ペースで刻みたい。
スピードに過信して序盤のハイペースに乗るのは危険。最後の400〜1000mで結果的に追いつけば良し。
スピードランナーには「敢えて先頭に出てスローペースに持ち込む高等テクニック」を使っている選手もいます。
2.記録会の戦術
<特徴>
・記録会は自分で目標タイムを設定できる
・夕方の記録会は条件が整いやすい
・大集団を活かすも殺すも自分次第
<対策>
①自分が上位に入れる位のタイムで申し込む
②(↑前提で)後方からスタートしてインコースで走り、最短距離を走る。序盤に2レーンを走っていると(1周407mなので)周回辺り1″近く無駄になってしまう。
初めの数周は速くなりやすく、力みも生じやすいので余裕を持って通過するのが大事。
☑︎集団のペースが落ちてきた時に、冷静にイーブンペースで前の選手を拾っていき、自分は余裕を保った状態でラストスパート争いに加われるとGood
強い市民ランナーの方々はこんな感じでレースを進めている人が多いような気がします。
選手A 2′50-2′58-3′05-3′07-2′58 14′58
選手B 2′58-3′00-3′02-3′03-2′55 14′58
同じタイムでも、選手Bの方がレース巧者だと僕は思います。
選手Aの積極性は評価できますが、序盤と中盤で最大17″/kmの差があるので、少しもったいない(もっと伸び代あるかも?)
<2019年11月の日体大記録会>
10000m 29′35(15′07→14′27)
5000m 14′13(2′52-2′50-2′51-2′55-2′44)
どちらも2着でPB
これまでは実力不相応な組でハイペースに乗れず撃沈することが多かったですが、前半リラックスすることで力を出し切ることが出来ました。
3.実際のケース(目標設定→戦術)
自分なりの「レースに臨むまで」をお伝えします。
〜全日本実業団2019の場合〜
①目標を立てる
僕がどう頑張っても塩尻選手に勝てないように、目標も現実的である事が大切。
まずは走力に見合った目標設定を行い、戦術を立てる必要があると考えます。
SMARTゴールに沿うと、明確な目標設定が可能になります。
<全日本実業団2019の目標>
◯Specific(具体的に)
例)3000mSCで日本選手権2020出場
◯Measurable(測定可能な)
例)A標準の8′50を切る
◯Achievable(達成可能な)
例)2′56-2′57-2′57の一定のLAPで
◯Relavant(現実性)
例)1ヶ月前に独走で8′58なので現実的か
◯Timing(時間制約)
例)今年まで(今回がラストチャンス)
②レース展開を予測する
メンバーや例年の結果からレース展開を予測し、イメージトレーニングします。
<全日本実業団2019のレース予測>
実力者多数のためハイペース(1000mSC通過:2′48)と予想
→イーブンペースで8′50前後を出せれば、後半拾っていくことで入賞できる可能性あり
③自分の状態を正しく分析する
自分の力を謙虚に捉え、実現可能な作戦を練ります。
<全日本実業団2019の最終調整>
レースペースをイメージして
400×8(r200) 64-65″前後
・2週間前に風邪を引いたが、復調傾向。
・派手な練習は出来ていないが、64-66″/周のペース感覚は鈍ってない。
④現状に見合った作戦を練り、イメージトレーニング
北海道では1周目からガンガン突っ込むキャラですが笑
全日本実業団は自分にとって大舞台なので
1-2周目を突っ込みすぎずペース感覚を頼りに400換算65″前後の一定で刻み、後ろから拾う展開をひたすらイメージトレーニング。
<結果>
8′50″43(PB)LAP 2′54-2′57-2′57
日本選手権B標突破(A標まであと0.43″)
調整段階からレースに至るまで、その時の実力や練習に合わせてレースを展開することの大切さを実感しました。
単純走力では劣っても、戦術次第で勝てることはきっとある!
<まとめ>
◎どんなレースでも相手に惑わされず、練習で得意な展開(自分の強みを最大限発揮)に持ち込むと結果に繋がりやすい
→ うまくハマると大番狂わせもある
◎ペース感覚を普段から養っていると、レースの流れに左右されず、自分のペースを守りやすい
→それが安定感に繋がる
今回は成功例を並べて、これが正解のように述べてしまいましたが、あくまで僕の経験上の話です。
これまでの記事で述べた「リカバリー」と「練習メニュー」次第でも結果は左右されるので、バランス良く調子を整えていきましょう。
ではでは!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?