安定感を目指して(リカバリー編)

パワプロ君では全員絶好調でプレイしてます。


じんです。


【僕の思う安定感がある選手の特徴】

①リカバリー能力(回復力) に優れる

②適切な練習メニューを選択・実行できる

③自分に合った戦術を状況に応じ、発揮できる


今回は①について。


リカバリー能力に優れるためには「パフォーマンスを落とす要因」を理解し、対策する必要があると考えます。

【パフォーマンスを落とす要因】

1.エネルギーの枯渇
2.脱水
3.筋肉疲労(筋肉痛)
4.全身疲労
etc..

それぞれの対策を、研究結果と照らし合わせて考えてみます。

(細かいのが嫌いな方はご遠慮下さい)

1.エネルギーの枯渇

Ivyらの研究(2008)によると
糖質を「運動直後」に摂取した場合、運動終了「2時間後」摂取した場合よりも6時間後の筋グリコーゲンの量は多くなると報告

このことから

2部練習や1日を通して競技が繰り返される試合(予選・決勝)において

早めの糖質摂取で安定したパフォーマンス向上が期待できるかも?

具体的な量に関しては

Doyleらの研究(1993)によると

最大のグリコーゲン再合成率は、

運動終了直後から4時間にわたって、1時間毎に体重1kgあたり1.6gの糖質を摂取する時に得られるとのこと。

体重55kgの僕は1時間あたり糖質88g・・
これを×4回(4時間)摂取するのは厳しそう。笑

まずは運動終了1時間以内に糖質88gを摂取するところから試してみたいと思います。

2.脱水

体重の2%以上の水分を失うと
・有酸素性能力が20%低下
(Armstrong et al.1985)

・認知機能低下
(Cian,Koulmann,and Barraud 2010)

・反応時間低下
(Lieberman 2007)

☑︎練習中や温泉後の「見かけの体重減少」に注意が必要。

Koulmannらの研究(2000)では

急激な脱水を防ぐため1日の水分必要量は、1.5〜1.8ℓの間であると報告

しかし、12〜19歳では87%、20〜55歳では70%の人が1日に1.5ℓ以下しか水分を摂取していないとのこと。

またKovacsら(2002)によると

15分ごとに約200㎖ずつ摂取することが推奨。

【これらを踏まえて】
・僕は体重をこまめにチェックし、運動2-3時間前から約15分後に200mℓを2-3set、1日トータルでは最低1.5ℓ摂るようにしてます。

結果として脱水症状でパフォーマンスを落とすことはなくなったように感じます。

たまにお酒を飲んで満足して、水分摂取を忘れてしまいますが。笑

より長い距離(ハーフ、フルマラソン等)になると、もう少し細かく調べて実行する必要があるかもしれません。

3.筋肉疲労(筋肉痛)

Verseyの研究(2013)によると

温浴1分、冷水浴1分を6分間(3セット)「肩まで」浸かることで、3000mのパフォーマンスの疲労回復が促進されたと報告

※温浴で終わっても冷水浴で終わっても結果に差は出なかったとのこと。

ポアティエ大学が発表したメタ分析(2018)では、1958年〜2017年に出版された99件の研究を集め、運動後の筋肉痛や疲れを取るのに最適なアプローチを検討。

その結果、参加者のタイプに関係なく

筋肉痛や疲労に最も効果的だったのは「マッサージ」

次点で患部を「冷却・圧迫」

筋肉痛のみに効果的だったのは
・積極的休養
・交代浴
・凍結療法

ストレッチは思わしくない結果が多く、

筋肉痛を悪化させるケースもあったとのことです。

【これらを踏まえて】
・僕は可能であればマッサージを受け、自己治療では温泉で交代浴(温浴⇆冷水浴を1分ずつ3-5セット)行うようにしてます。

・ストレッチに関しては「運動前だけ」実施し、筋肉痛を誘発しそうな練習後はあまりおすすめはしません。

4.全身疲労

プロメテウス解剖学書を見ると

身体のストレスと密接に関わる交感神経は
胸椎(背中)を支配しています。

過剰な練習や生活上のストレスで交感神経が優位に働くと、気管支が拡張し多くの酸素を体内に取り込もうとします。

そのため、身体の重要な臓器に血液を集中させるために抹消血管は収縮し、心臓はドキドキ(心拍数は増加)します。

その間消化器の機能は抑制されるので、交感神経が優位な状態が続くと

消化不良の原因にも繋がることが考えられます。

<心拍数の簡単チェック>

起床時の安静時心拍が高い方は

(1分間に10拍以上※)
※長寿健康科学振興財団より

オーバーワークに注意!

【対策】
・練習の強度(ペースや量)を落とす

これについてはまた機会があれば。

・腹式呼吸

坂木の研究(2001)では

・臥位で自然呼吸
・座位で自然呼吸
・座位で腹式呼吸(吸息と呼息の時間比を1:2)

を各20分間実施し、心拍変動、心拍数、血圧、呼吸数等を測定。

その結果

腹式呼吸後に(座位で自然呼吸より)心拍数と呼吸数が低下し、副交感神経優位となったことが示されました。

これを一つの参考に、背中周りが重かったり、緊張している時は

3秒吸って6秒吐く(吸気1:呼気2)腹式呼吸を、20分間程度目安に行うようにしています。

他にも睡眠時間を確保し、ストレッチポールで背中をほぐしたりすることで全身疲労を緩和できると感じます。

長々と書いてしまいましたが、、以上となります。

リカバリーは突き詰めるとキリないですね笑
でも、それが大事なのかなと思います。

何を・どの程度やるかを考えながら
安定感を目指し日々ケアしていきたいです!

選手としてはいい年なので。笑

ではでは! 

引用文献:
・Ivy,Lee(1988), Muscle glycogen storage after different amounts of carbohydrate ingestion.

・Doyle(1993), Effects of Eccentric and Concentric Exercise on Muscle Glycogen Replenishment

・Koulmann(2000),Use of Bioelectrical Impedance Analysis to Estimate Body Fluid Compartments After Acute Variations of the Body Hydration Level

・Versey(2013),Water Immersion Recovery for Athletes:Effect on Exercise Performance and Practical Recommendations

・Kovacs(2002), Effect of high and low rates of fluid intake on post-exercise rehydration

・Olivier Dupuy(2018),An Evidence-Based Approach for Choosing Post-exercise Recovery Techniques to Reduce Markers of Muscle Damage, Soreness, Fatigue, and Inflammation: A Systematic Review With Meta-Analysis

・坂木(2001),腹式呼吸が自律神経機能に与える影響-臥位安静時の自律神経機能との関連-

・リカバリーの科学

・プロメテウス解剖学アトラス第2版

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?