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韓国競馬のクラス・レース編成

初稿 2022年9月24日
更新 2023年1月20日(全般追記、重賞体系・優勝馬の更新など)
   2023年3月11日(外国産新馬の初回付与RTの変更)
   2024年1月3日(全般更新、重賞体系・優勝馬の更新の変更)


クラス編成

韓国競馬のクラス編成は割とシンプルです。まずは内国産馬と外国産馬に分けられ、韓国独自のレーティング(1ポイント=0.5kg、最高140ポイント)に応じて下記の通り内国産馬は1~6クラス、外国産馬は1~4クラスにグルーピングされます(1が最上級)。

クラス1(C1) R81以上
クラス2(C2) R80以下
クラス3(C3) R65以下
クラス4(C4) R50以下(外国産馬は新馬時に一律R40*付与、C4格付け)
クラス5(C5) R35以下
クラス6(C6) レーティング無し(新馬、未出走、未勝利など)
※国際レーティングは別途算出され、国際競走時のみ用いられます

*2023/03/10にR38からR40に引き上げられました

レーティングに基づくクラス編成ですので、日本のように優勝や入着による賞金加算での昇級は行われずあくまでもレース後の新レーティング算定により昇降級が発生しますが、クラス6→5の昇級のみ、以下の基準のいずれかを満たした時に実施されます(R27~35が付与されます)。

①1着1回 ②2着2回 ③2着1回かつ3着2回 ④3着3回

2024年1月3日現在のクラス別所属馬数は下表の通りです。外国産馬は全体の1割程度しかいませんが、クラス1は約半分が外国産馬(米国産が殆どです)となっており、まだまだ力の差は大きいようです。

なお、持ち込み馬(포입마/胞入馬)は内国産馬に分類されますが、重賞競走においては外国産馬扱いとなり出走できるレースが制限されます。

このあたり、内国産馬のレベル向上に従って徐々に制限解除(=完全な内国産馬扱い)される予定で、まずは2023年より「種付け料が2万米ドル以下の市場取引馬」については内国産馬限定重賞への出走が認められましたが、全面開放は2028年の予定です。

レース体系・編成

一般競走

一般(平場)レースは下記の通り編成されますが、基本的に重賞競走を除き所属場以外のレースに出走することはできません。即ち、ソウル所属馬は釜山慶南への遠征が不可であり、その逆もまた然りです。

  • クラス1〜2 混合戦

  • クラス3〜4 内外別々(但し一部混合戦もあるみたいです)

  • クラス5〜6 内国産限定(但しR35以下の外国産馬はクラス5に出走可)

特別競走

「特別競走」と称して春と秋の特定日に各国競馬主催者とのトロフィー交換競走が11鞍、夏の特定日に2歳戦が2鞍組まれています。

トロフィー交換競走は以下の通りです(太字は外国産馬も出走可能)。

(春季:2024年は4月14日実施)
・ロイヤルウェスタンインディアターフクラブ(RWITC)@ソウル
・特別区競馬組合(TCK)@釜山慶南
・スランゴールターフクラブ(SLTC)@ソウル
・シンガポールターフクラブ(STC)@釜山慶南
・中国馬業協会(CHIA)@ソウル
・トルコジョッキークラブ(TJK)@釜山慶南

(秋季:2024年は9月7日実施)
日本中央競馬会(JRA)@ソウル
・南米競馬機構(OSAF)@ソウル
・香港ジョッキークラブ(HKJC)@ソウル
・南アフリカゴールドサークル(GC)@ソウル
・マカオジョッキークラブ(MJC)@ソウル

重賞競走(大賞競走)

韓国では「大賞競走/대상경주」と表記され、グレード競走(23レース)リステッド競走(14レース)から構成されますが、ここでは便宜上「重賞競走」の表現を優先させます。

グレード競走はG1が5レース、G2が8レース、G3が10レースとなっていますが韓国はパート2国であるためそのグレードは日本のJpnI, II, IIIのようなローカル格付けで、現在ブルーブックに掲載されている競走は以下の通りです。

国際G3)コリアカップG1、コリアスプリントG1
国際L)グランプリG1、大統領杯G1、トゥクソム杯G2、釜山広域市長杯G2、KRAカップクラシックG2、オーナーズカップG3

韓国G1のうちコリアカップとコリアスプリントは2022年より国際G3の格付けを得ており、今後は国際G2や国際G1への昇格を目指してさらなる海外強豪馬の招致や韓国馬の海外挑戦が活発化していくものと思われます。

<2024年度重賞・特別競走一覧>

上表は少しビジーですので、重賞競走について図として纏めると下図の通りになります。

ローカル格付けについては韓国競走分類委員会(Korea Pattern Committee)が国際レーティングに基づくパターンレースレーティング(PRR:年間レースレーティングの過去3年平均)を基準として管理しています。

下表が昇格・維持基準ですが、PRRが2年連続で3ポイント超下回ったときは委員会の全員一致で、3年連続のときは委員会の過半数以上賛成で降格となります。

最後に、下表が2022~2023年度のグレード競走勝ち馬一覧です。両年ともコリアカップ・グランプリ連覇を含む重賞通算10勝のWINNER's MANが文句なしで年度代表馬に選出されています。

2022年グレード競走優勝馬一覧
2023年グレード競走優勝馬一覧

今後、変更等がありましたら随時本稿を加筆修正していきますので引き続きよろしくお願いします。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。

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