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姫路競馬場の左回り化を考えてみた

ワタシが住んでいる兵庫県には競馬場が3つあります。それは、JRAの阪神競馬場、そして兵庫県競馬組合の園田競馬場姫路競馬場です。

そして、実は兵庫県競馬組合には西脇トレセンというものが存在します。

西脇トレセン(西脇馬事公苑)
なんかヘンな凡例が付いたままでごめんなさい

元々兵庫の馬は園田と姫路の2つに分かれて過ごしていたのですが、姫路は競馬場周辺の都市化により厩舎エリアを縮小せざるを得なくなり、1980年に西脇トレセンが開業、姫路所属馬たちは皆西脇へと引っ越しました。

西脇トレセンは1周1000mしかありませんのでさすがに名古屋(弥富)のように競馬場化することはできませんが、それでも立派な競走トラックです。

こうして考えてみると兵庫県には競走馬用のトラックが4か所もあるって、実はスゴイのでは?もちろん育成牧場まで数えると北海道がダントツ1位のトラック数にはなりますが、JRA・公営のトラック数が最多なのは兵庫県!

そんな競馬に恵まれた(?)兵庫県民の端くれとして以前より少し気になっていたのが姫路競馬場の存在というか位置付け。

姫路競馬場
ここもなんかヘンな凡例が付いたままでごめんなさい

ワタシが物心のついた時から(競馬ファンとなった時から)姫路競馬と言えば9開催54日間となかなかの稼働日数だったのですが、気が付くと開催日数はどんどん減少。挙句の果てに2013年から2019年まで7年間も休止されるハメにもなりました。

それが2020年1月に不死鳥のように蘇り(よく廃止されなかったものだ・・・)、イチ競馬ファンとして、そしてイチ兵庫県民として大変喜ばしく思ったのですが、いざ姫路競馬が再開されると園田と比べて圧倒的に逃げ・先行で決まり、正直言ってあまり面白くない気も。と言うか、「わざわざ姫路でやる意味あるのか?」とさえ思うこともあります。

それは何故かと言うと、姫路の走路は1周1200mと川崎と同規模なぐらい立派で、ゴールまでの直線は園田より長い230m。よって差し馬には有利そうですが如何せん非スパイラルカーブ且つ高低差ゼロの平坦馬場なので(まぁこれらは川崎も同じなんですが)、最初から最後まで行ったもの勝ち。ワタシの友人の一人にしてワタシ以上の馬キチは姫路開催になるとテンションがガタ落ちになるぐらいです。

そして最も面白味が無いのが、園田と同じく右回りであること。

南関東であれば大井は基本右周り、川崎・船橋・浦和は左周りということで左右別の予想要素が増えて面白いですし(サルサディオーネの左巧者ぶりなんて典型的な例かと)、同じく2場を有する岩手県競馬も盛岡は左回りに対し水沢は右回り。なのに兵庫県は2つとも右回りなのが・・・。

正直、2020年の再開時に姫路は左回りに改修してほしかったのですが、今からでも遅くないというか、少しでも声を上げることが大事かと思いますので、本日はこの場にて姫路競馬場の左回り化について考えてみたいと思います。


左回り化の想像(妄想)図

非スパイラルカーブ&高低差ゼロ

そもそもスパイラルカーブが採用されていたり、最後の直線に上り坂があったりしたら根本的な走路の作り替えとなり、それはさすがに「そこまでやらんでも」と思います。しかし姫路は幸運にも大井と同じく非スパイラルカーブ且つ平坦馬場なので、要は単純に「大井のマネできるんとちゃう?」と思ったのが今回の事の発端です。

決勝線・ゴール板の移設

左回り化するとなると当然決勝線やゴール板の移設が必要になりますが、左右両回りを達成した大井とは異なり、左回りゴール地点となるあたりにスタンドが無く、管理棟?的な小さな建物しかありません。

さすがにそこにカメラを置いて決勝線を設けるのは厳しいと思いますので、それが可能な建物に改築する必要があります。そして、どうせなら馬主席も設けてしまいましょう。

スタンドの追加

既存スタンドは右回り用に作られていますので、本来であれば京都や船橋のように全面的に作り替え・・・といきたいところですが、それをやると金がかかりすぎて兵庫県競馬の存続にも関わる大問題にもなりかねませんので、さすがにそこまで主張しません。

しかし、既存スタンドをそのまま使うとしても位置がゴール手前200~100m地点になってしまいますので、特に高いお金を払って観に来ている特別観覧席利用者から非難の声が出るのは必至。

ならば、プレハブとは言いませんが空港のLCCターミナルのようなあまりお金のかからない造りで、しかしそこそこは快適且つ丈夫に使える建屋を管理棟と現スタンドの間に設け、そこを特別観覧席にしてはどうかと。(注:建築学とか全く知りませんので、技術的可否については全く考察していません)

あるいは、決勝審判室&馬主席用に新しい建屋を作るのであれば、そこを門別競馬場Aスタンドのような小規模スタンドにしてしまうのも一案かも知れません。

4コーナーポケットの設置

1500mを設定するためには4コーナー(現在の1コーナー)にポケットを設ける必要があります。姫路競馬場全体敷地としては十分にその余地がありそうですが、実際にそれをやるとなると馬運車用の駐車場を少し削る必要があります。

そもそも競馬場に馬を連れてこなければレースを行えませんので馬運車用スペースは大事ですが、もしポケット設置によってその駐車場運用に支障が出るようであればもう思い切ってポケット設置は見送り、1500mは廃止しても良いのでは?と思います。

と言いますのも、似たような距離の1400mが根幹距離ですし、姫路開催の1日の中で1500m戦が行われるのは多くても3鞍程度。

それならば、せっかくの長い直線を活用して1300mを新たに設定し、必要であれば1400mスタート地点を少し後ろにズラして1450mにすれば、馬の適性やファンの予想法も変わってくる2種類の距離設定が可能になるのではと思いました。園田には1230m1870mという中途半端な距離が存在しますし、それに比べれば1450mはまだキリの良い数字でしょう。

資金・財源

NARの報告書によると、本件とは関係無く今後(令和5年/2023年度以降)兵庫県競馬で必要な施設改修・整備必要額は82億円となっています。

令和3年12月 地方競馬全国協会 評価報告書
「第三期競馬活性化計画に基づく事業実施状況及び事業収支改善進捗状況」より
https://www.keiba.go.jp/pdf/association/activation/09.pdf

このような中、兵庫県競馬組合の財政状況は以下の通りです。

出典は下記リンク先

ある県議会議員の報告によると、実質単年度収支はほぼ施設整備基金への積立に依るそうですのでその82億円の確保としては順調そうに思えますし、令和3年/2021年度の売上は124,009百万円とまだ伸びています。

名古屋競馬場(弥富)のスタンド建設費用が約40億円ということで、その3分の1ぐらいに収めることができれば姫路競馬場左回り化の総費用はだいたい15億円ぐらいでしょうか。管理棟の改築を決勝審判席用としてのみに割り切るのであればもっと安く上がりますが、いずれにせよ現在の財務状況からすれば「何とかなりそう」なレベルかと思われます。


以上より、左回り化を要望したい

あいにく上記の投資に見合った費用対効果を提示することができず、この点については無責任な考察や要望かも知れませんし、詰まるところは「大井のパクリ」や「岩手の後追い」かも知れませんが、姫路は折角のポテンシャル有るコース形状ですし、左右両方に慣れた馬を育成できれば他場遠征の幅も広がります。

広報の強化やイベント開催、第三者とのコラボなど兵庫県競馬を盛り上げる方策はたくさんありますが、競馬の本質はやはり魅力ある馬同士を多彩な競走番組で競わせることにあると考えますので、何とかこの声が兵庫県競馬組合に届けばいいなと思いますし、イチ競馬ファンとして馬券購入を通じて少しでも貢献していこうと思います。

・・・やっぱどう考えても姫路が左回りになった方が面白いですよね?

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