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『のけもの』の世界について、ちょっと解説。(ルール的なもの)

さて、演劇の良いところでもあり、悪いところでもある「行ってみなければどんなことをするのかよく分からない」という点を少しだけフォロー。
お芝居の冒頭で金田一央紀が語る内容とほぼイコールですが、今回の作品の「ルール的なもの」について解説します。
『すべては劇場の中にある』と確信してやまない、尊敬すべきシアターゴアーの皆様は、どうぞこの記事をスルーしておいてください。
なお、あらすじは別途ポストしていますのでそちらをどうぞ。

都市計画地図(白図)

チラシにも記載していますとおり、今回の舞台には京都市域の都市計画地図(白図)を敷き広げます。さすがに京都市域すべてという訳にはいかないのですが、中心部はだいたいカバーしました。
縮尺は1/2,500です。つまり、地図の上で大人が大きめの一歩(1m)を進めば、2.5km分を進むことになります。そういう縮尺だからといって、登場人物が全員ゴジラ的サイズ、という見立てで話が進む訳ではありません。あしからず。

舞台図面(投稿用に簡略化したもの。道具等は記載せず)です。全部で地図は47枚あります。

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舞台は原作のパリから京都に移しています。

「京都市域の都市計画地図を敷き広げ」ている時点でバレバレですが、原作「のけ者」ではフランス・パリを舞台としているものを、我々ナントカ世代、ダイバーシティの時代に乗り遅れて出演者の皆さん見事にのっぺり顔の日本人でしかないので、舞台は京都に移しています。

全部で5幕あります。

まず最初に、このnoteに書いているようなルール的なものについて簡単に触れるのですが、それを除けば「本編」として、5幕のお芝居です。
1幕:聚楽廻。2幕:五条大橋。3幕:久世。4幕:釈迦谷山。5幕:京都駅。となっています。ちなみに、会場のTHEATRE E9 KYOTOは、都市計画地図上は「京都駅」のところにあります。

1幕ごとに、①場所と②リズムが変わります。

5幕あるというのは、単純に5箇所の場所が設定されているということです。一つの幕の間にいわゆる「暗転(まっくらにする演出)」が入ることもありますが、場所が変わらない限りはそれは1幕とカウントしています。

それと、1幕ごとに、ある一定のリズムが刻まれることにしています。したがって、1幕ごとは1つの場所であって、1つの場所には1つのリズムがあって、ということになりまして、逆に言うと、1つのリズムが刻み始められれば幕がスタートし、そのリズムがなくなればそれは終幕ということです。文字面ではちょっと分かりにくいですね。

幕間はどうぞ、楽にしてください。

5幕あるということは、すなわち、幕間が4回あるということです。この間、ほんのちょっとだけ作業をいたします。いわゆる「舞台転換」です。小劇場ではよく、暗転中にやったり、舞台転換用に薄暗い明かりの中でやったりしますし、大きな劇場(プロセニアム形式)ならいったん緞帳を落としたり、ということが多いですが、そこはいかんせんブラックボックスで、できたばかりの小劇場で我々も不慣れです。事故防止と時間短縮のため、舞台上をぴっかり明るくして、すごく事務的に転換を行います。ので、「リズム止まったな」と思ったら幕間ですので、どうぞ気楽にお過ごしください。

【調整中】よければご自身のお住まいやお勤め先などを地図でお探しください。

調整中で実現できなければ大変申し訳ございませんが、開演前は靴さえ脱いでいただければ自由に地図をご覧いただけるようにできれば、と考えています。京都市内にお住まいの方やお勤めの方は、ご自身のお家の場所などを探してみてはいかがでしょうか?

舞台の隅っこに変な人います。

永榮紘実が演じる「進行」という役柄がありまして、この人、ずっと舞台上にいます。で、ちょっと舞台演出上の操作とかを直接やったりします(通常はスタッフの人がお客様から見えないところでやるものです)。ずっといますが、何者かと言われると何者でもなく「進行」でしかないので、気にしたら負けです。どうぞ、気になった時以外は、何卒気にせずにご覧ください。

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