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スキップして帰ることになる


たぶん、ほんの束の間の出来事でした。

やたらと寒く、ニット帽を目深にかぶり、
マスクをして歩いていたら、
ほんの僅かな露出部を狙ったかのように

こかさつん。

といった具合に私の瞼に何かが当たったのです。


ふと仰ぎ見ると街灯の光の中にいく筋かのものが落ちてきていました。

あ。雨、降ってきたかな。

と思いつつ、

じゃあ、“こかさつん”て、なんだ。

とぼんやり上を眺めていると(たぶんマスクの中で口が開いてた)雨にしては軌道がよく見えます。

え?雪?

でも雪にしては攻撃力が高いので、不審に思いつつ上着の袖に目をやると、



霰でした。


霰に遭遇する機会はとても少ないので、
おおおー!!!と空を見上げると、
なんか明るいのです。


え?


月が出てました。



今日は十五夜だそうで、明け方に満月になるそうです。つまり、ほぼ満月です。


突然の霰と、それを照らす満月。


なんとも幻想的な冬景色の中を
はずむ心を抑えきれず
スキップ&小走りで帰りました。


家に着く頃には、星まで輝き、
霰の粒はより大きくなっています。

普段よりも随分早く帰宅した私の
普段よりも随分浮かれた報告を


「さむいからねー」


と猫を撫でながら受け止めてくれた家族を見て、


なんか ありがたいな


と感謝が溢れました。




なんてね。


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