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新着 ㊺鹿児島県議会 文教観光委員会 陳情審査(令和6年3月15日)

当会より提出いたしました2件の陳情(㊸鹿児島県議会 令和6年第1回定例会陳情提出)の審査が令和6年3月15日開催の文教観光委員会にて行われました
委員会議事録の公開は6月となりますので、当会の責任において作成した陳情審査傍聴メモを掲載いたします

〇陳情項目
・第4013号 
楠隼中高一貫教育校に令和3年度、令和4年度、令和5年度に入学した楠隼中学校現行1学年、2学年、3学年の生徒が楠隼高等学校を卒業する令和10年度中は全寮制男子校の制度が維持されることを要望する。
・第4014号 
楠隼校の共学化及び全寮制廃止の方針が教育委員会において純粋に教育行政の観点から検討される過程において教育委員会制度に定められた首長からの独立性が担保され、政治的中立性が確保されたものであったか否かを鹿児島県議会所管委員会に於いて調査検証いただき、鹿児島県の教育行政の執行が公平かつ平等に実施されていることを県民に説明いただくことを要望いたします。

〇教育委員会による状況説明
・第4013号
1 楠隼校の令和3年度以降の入学生に対しては,学校説明会等において,「男女共学・通学生の受入れに向けた検討」を行っている旨を周知しており,そのような可能性もあることを承知して入学したものと考えている。
そのことを踏まえ,楠隼校の共学化等については,全寮制男子校を前提に入学した生徒に配慮した上で,同校の特色ある魅力的な教育をできるだけ早く女子生徒や通学生にも受けられるようにしたいと考えて,受入時期を判断したものである。
生徒に対しては,昨年8月に説明・意見交換を行ったところであるが,今後とも丁寧な説明に努めてまいりたい。

・第4014号
1  地方公共団体の長は民意を代表する立場であるとともに,教育行政においては,地方自治法に基づき,教育委員会の所管事項に関する予算の編成・執行や条例等の議会への提案など重要な権限を有している。
また,平成27年には,地方教育行政の組織及び運営に関する法律において,教育委員会の教育の政治的中立性,継続性,安定性を確保しつつも,地方教育行政における責任体制の明確化,迅速な危機管理体制の構築等のため地方公共団体の長と教育委員会との連携を強化する旨の制度変更が行われているところである。
教育委員会については,引き続き,独立した合議制の執行機関として存続し,教育委員会の権限に属する事項は教育委員会で判断することとなっていることから,教育の政治的中立性,継続性,安定性の確保は図られているものである。
2  楠隼校の共学化等については,知事の提案等を契機に,生徒・保護者へのアンケート,周辺市町への意見聴取,県議会への説明等を行いながら,教育行政の執行機関である教育委員会において,教育行政の観点からどうあるべきか検討し,その方針を決定したものである。
3  なお,令和3年10月4日の文教観光委員会における執行部の「調査等を実施し知事の意向に沿うような形になればと考えております」という答弁については,当時の知事の「楠隼校の共学化等については,子供たちの進路に関わることでもあり,その方向性についてはできるだけ早くお示しできるようにしたい」という発言に関し,方向性を早く示すための調査や検討を教育委員会で行うという考えを述べたものである。

〇質疑
森委員
(第4013号)
・現中一から中三の生徒が在校中に共学化等が実施されることについての説明が足りていないのではないかとこれまで2回指摘している 
具体的に何か実施されたのか
(高校教育課長) 8月の説明会以降実施していない
・何らかのアクションをするとのことであったが実施されていない
新年度の予算で対外に広報するとのことだが、生徒へも説明対話を行うべき学校関係者も含めて
   (高校教育課長) これまでは学校行事等へ配慮する必要があってできなかったものである

秋丸委員
(第4013号)
・対象年次の生徒等への説明が足りなかったであろうと思うが、それゆえ実施を遅らせるべきかは別の議論かと考える
・今年度の学校説明会ではどのような説明、質疑があったのか
(高校教育課長) 令和8年度から実施と説明 特にこの件で質問はなし
・そうであれば その生徒は8年度から共学通学化前提で入学するのでその整合も考えないといけない
・「全国唯一の公立全寮制男子校」と記載されたパンフレットを今年度も使用されたとのことだが、そういうところが配慮説明が足りないのでこういう陳情がでるのではないか  
行政として納得はされなくても理解していただけるように努めるべき

森委員
・6月知事方針表明以降に学校HPに掲載された令和5年7月実施のオープンスクールの案内に「全寮制にしかない学びがここにある」と記載されていた件、このような大事なことがそのままであったのは出来なかったのか、しなかったのか、どちらか
(高校教育課長) 学校との連携ミスである 現在は更新済みである
注記 この質疑時点では楠隼校HPにはオープンスクール案内掲載されていたが、同日午後削除されたことを当会にて確認した

岩重委員
(第4014号)
・陳情記載の「令和4年1月17日知事との教育委員との共学化等についての意見交換の場では出席5名の委員の内2名が明確に現状維持の意見を述べられ、1名が変更にはある程度の期間が必要との意見を述べられています」は事実であるか
(高校教育課長) 事実である

〇取扱意見 第4013号

〇 不採択 日高委員(自民党)
楠隼校の令和3年度以降の入学生に対しては,学校説明会等において,「男女共学・通学生の受入れに向けた検討」を行っている旨を周知しており,そのような可能性もあることを承知して入学したものと考えている。
そのことを踏まえ,楠隼校の共学化等については,全寮制男子校を前提に入学した生徒に配慮した上で,同校の特色ある魅力的な教育をできるだけ早く女子生徒や通学生にも受けられるようにしたいと考えて,受入時期を判断したものであることから。

〇 継続  森委員(公明党)
「同校の特色ある魅力的な教育をできるだけ早く女子生徒や通学生にも受けられるようにしたいとの考え」は理解を得られていないので陳情が上がっている。継続として理解を得られるまで説明すべきである。

〇 採択  岩重委員(無所属)
塩田康一知事は「男子校でしかできない教育、寮でないとできない教育とは一体何なのか」と発言されたが、同年6月15日楠隼校ホームページにおいて公開された令和5年7月28日開催オープンスクール告知案内には「全寮制にしかない学びがここにある!」斯様なちぐはぐな考えのもとで方針変更が進んでいると県民は見ている。
令和5年7月28日開催オープンスクール告知案内に「全寮制にしかない学びがここにある!」うたっているのであれば令和6年度の入学生においても全寮制は維持されるべきである。また生徒にインタビューすると楠隼校の特色は知事、教育委員会のいう宇宙学・トップリーダー教室などではなく全寮制男子校であるのでその観点からも制度は維持されるべきである。

〇採決 第4013号
採択  岩重委員      賛成少数
継続  森委員 秋丸委員  賛成少数
結果  不採択

〇取扱意見 第4014号
〇 不採択 日高委員(自民党)
楠隼校の共学化等については,知事のマニフェストをきっかけとして,教育行政の執行機関である教育委員会において,教育行政の観点からどうあるべきか検討し,その方針を決定したものであり、そのことについては県議会としても本会議や委員会で議論をおこなってきたものであるので。

〇 採択  岩重委員(無所属)
「令和4年1月17日知事との教育委員との共学化等についての意見交換の場では出席5名の委員の内2名が明確に現状維持の意見を述べられ、1名が変更にはある程度の期間が必要との意見を述べられています」であれば教育委員が社会情勢等の変化を勘案し教育委員会議にて決定したとの説明には疑念が生じる。斯様な状況では陳情者の求めるとおり当委員会にて時系列にそった検証が必要である。

〇採決 第4014号
採択  岩重委員  賛成少数
結果  不採択

本陳情は令和6年3月22日開催の本会議にて採決されます
当会の本陳情に対する見解はその後掲載いたします


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