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新着 ㊼鹿児島県議会 文教観光委員会 会議録(令和6年3月15日)

県議会常任委員会の会議録は次回の定例会委員会開催日の前日に公開されます。公開された当会からの陳情審査㊺鹿児島県議会 文教観光委員会 陳情審査(令和6年3月15日) に関する会議録を掲載いたします。

委員会では陳情審査の後 県政一般として協議が行われ、楠隼校に関することも協議されています。「県外入試廃止を含め検討」と報道されたのは以下の
質疑によります

(以下議事録より引用)
◯日高委員 これまでもいろいろ取り上げてこられました楠隼校のことについて、お聞きしたいと思います。
 まず、楠隼校の受検倍率ですか、前年度と今年度、数字を教えていただけませんでしょうか。
◯紺屋高校教育課長 楠隼中高一貫教育校の入試の倍率ということ、出願の時点でよろしいでしょうか。出願の時点で申し上げますと、楠隼中学校が一・九倍でございました。楠隼高校につきましては、〇・二八倍でございました。
 以上でございます。(「それは今度のでしょう」という者あり)
 失礼いたしました。過去の推移ということで申し上げますと、中学校が、今、六年度を申し上げましたので、五年度からを遡ってまいりますと、受検倍率は、令和五年度は一・六七倍、令和四年度が一・九七倍、令和三年度が一・五倍、令和二年度が一・八三倍と、そのような状況でございました。
 高校につきましては、令和五年度が〇・一七倍、令和四年度が〇・一六倍、令和三年度が〇・二八倍、令和二年度が〇・二六倍と、こういう状況でございます。
 以上でございます。
◯日高委員 お聞きしましたのは、これまで度々取り上げてまいりましたが、楠隼中学校の県外会場での受検のことですね、募集、このことについて、皆様方が楠隼校の充実ということで、いろいろな宇宙関係とか、いろいろな関係を結びつけながら、特徴ある学校をつくろうとやってきたのは十分分かっております。
 そういう中で、また一方では、私学協会の皆さんから、県外の受検はやめてくれないかと、我々もしっかりと教育するために、生徒の確保というのも含めて、共に、やはり教育を充実していきたいという思いで、十年ぐらいになるんですかね、毎年、要望されていると思っております。
 また、私どもにもこの要望はずっと来ておりまして、そういう意味では、やはり、皆様の学校も大事だし、そして、私学協会が言われている、これから充実を図る上では、いろいろな懸念になるところもありますので、今回、共学化するということで進めますので、この際、県外会場廃止を検討すべきではないかと私は思うんですが、そこら辺をお答えいただきたいと思います。
◯紺屋高校教育課長 楠隼中学校の選抜に関して、県外会場の設置についての御質問でございます。
 この楠隼中学校につきましては、やはり入学者確保が学校の維持、存続発展にとりまして、非常に重要であると考えておりまして、現段階ではまだ必要であろうと考えているところです。
 ただ、委員御指摘のような部分が、一方ではございます。ただ、タイミングとしまして、今、ちょうど、令和八年度からの女子生徒の受入れですとか、通学生の受入れですとか、こういう部分を予定しているところでございまして、その受検動向等見ながら、必要な情報を整理の上、県外会場の在り方については検討してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
◯日高委員 今、動向を見ながらということを言われましたが、どの程度の受検動向を見るのか、そこら辺をお示しをいただければと思います。
◯紺屋高校教育課長 受検動向を見る期間ということでございますが、今申し上げましたとおり、令和八年度から、女子生徒、通学生を受け入れてまいりますので、この受検動向を把握するためには、共学化後の学校全体への状況の把握も必要でしょうし、さらには、その変化の状況をもって、広報等をしていく必要があると考えておりまして、したがいまして、少なくとも、共学化後の生徒が、要するに、女子生徒、それから通学生が入ってくるこの子たちが中学校を卒業するまでの三年間、これぐらいの期間は見させていただきたいなと考えております。
 ただ、一方では、この間におきましても、県外会場等の在り方については、受検動向を見ながら、必要な情報を収集して、検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◯日高委員 今、三年間のという話が、状況を見てという話でありましたが、それでは、その三年間状況を見た上で、いつから選抜等するのか、そこら辺を教えてください。時期というものをですね。
◯紺屋高校教育課長 県外会場の在り方等について検討する時期ということでございますが、令和八年度から女子生徒、あるいは通学生が入学してまいりますので、その子たちが、三年間見ますと、十年度までなんですけれども、この十年度と申しますのは、卒業する時期は十一年の三月ということになりますので、これ以降の入学者選抜、つまり十二年度の選抜以降につきまして、その県外会場の廃止も含め、入学者選抜の在り方を検討したいと考えているところでございます。
 以上でございます。
◯日高委員 今、令和十二年度以降ということで時期が示されたと思っているんですが、この時期を示されるのは今初めてという取り方でいいでしょうか。
◯紺屋高校教育課長 委員のおっしゃるとおり、具体的な数字を示したのは今回が初めてでございます。
 以上でございます。
◯日高委員 それでは、今お話もございましたので、私学協会から、何かあるたびにずっと話も来ていたことでございますので、十分に検討いただいて、しっかりと対応していただきますようにお願い申し上げまして、終わります。
◯鶴田委員 それでは、ただいまの日高委員の質疑に対して、私も関連で質問したいと思いますが、この楠隼中高の特性として、全国からリーダーシップを執れる学生を集めるというようなことを標榜されて、高校並びに中学校両方で県外受検を当初実施されてきましたね。そのことに対する位置づけはどのようにお考えでしょうか。
◯紺屋高校教育課長 これまでの入試の会場設定のお話でございますけれども、委員御指摘のとおり、この楠隼を設立するに当たりまして、地域で取りまとめを受けた際に、県内外から生徒を集めてくると取りまとめられましたので、それに沿って、受検会場を設定してまいりました。その際に、特に中学校、つまり受検者が小学校の場合ですと、やはり心身の発達上、お互い緊張状態の中で、鹿児島まで来て受検するということについては、非常に負担がかかるだろうということで、各交通の要衝であります福岡、そして大阪、東京に設定をしているわけでございます。
 また、近くの宿泊の事情、交通等の事情もございまして、そういう部分も勘案して、設定してございました。
 そういう事情でございますので、当初、高校についても、今申し上げたとおり、福岡、大阪、東京等に設置していたわけですけれども、高校については、今申し上げた小学生はそういう配慮が必要だろうけれどもという整理をいたしましたので、翌年度からは廃止したという事情でございます。
 以上でございます。
◯鶴田委員 私も、その後、聞こうと思っていました、高校も当時されていて、廃止しましたね。私も地元なものですから、いろいろ聞いてみますと、その影響で、高校から受検する生徒は少なくなった、あるいはしにくくなったというような話を聞きますけど、そこはどのように判断されますか。
◯紺屋高校教育課長 具体的な倍率で申し上げますと、開校初年度につきましては、高校ですね、一・九六倍ございました。ただ、翌年度以降、〇・八三倍、〇・三七倍と、特に二年後に急激に下がるわけですけれども、恐らくそれは、一つは会場の影響もあったのではないかと理解をしているところでございます。
 と同時に、やはり、開校は、中学校と高校が同時に入っておりますので、なかなか実績を示せないという部分がございまして、全国の、特に関東圏のこういう学校に興味がおありの生徒、保護者について、なかなか訴求力が足りなかったのではないかと分析しております。
 以上でございます。
◯鶴田委員 分かりました。
 いろいろまた聞いてみますと、入学前年度の学校見学といったところに、小学生が親と一緒に来て、学校を見て、それで最寄りのところで受検するというようなパターンも多いと聞いています。
 現在、中学生の県外からの生徒というのは、どのぐらいいるんでしょうか。
◯紺屋高校教育課長 人数ベースでお答えいたしますと、今、二月一日時点の調査で、楠隼中高全体で三百二人おりますけれども、このうち、県外の生徒が百九人、県内の生徒が百九十三人と、そういう構成になっております。
 以上でございます。
◯鶴田委員 大体二対一で、地域外を含めると、もっと多いと思うんですね。
 一つ聞かれるのが、県外選抜に対する教職員の負担というのもあるんですけれども、この選抜等々、募集広報にはどのような対応をしていらっしゃるのでしょうか。
◯紺屋高校教育課長 楠隼中高に関しましては、適性検査問題、それは高校の入試問題につきましてはオリジナルの作問をしておりますので、そういう部分の負担といいますか、業務が生じているところはございます。
 また、お聞きのとおり県外会場もございますので、そこへの試験監督等の業務というのは発生しております。
 ただ、楠隼の職員につきましては、開校当初からこの形で業務をやっておりますので、特段、負担が、少なくても増えているということはないということでございます。
◯鶴田委員 分かりました。
 今、令和十二年度から県外受検をやめる方向で、廃止する方向で考えるというように受け止めました。
 大隅の高校の在り方検討委員会、この中に私学の代表者も入って、このことはずっと議論を重ねて、一つの結論の下に進めているわけですね。
 例えば、楠隼が男女共学になって、通学生を許可すると、そこから歩いて十五分の高山中学校とどう違うんだというような話があると思うんです。
 今回、男女共学化に関しても、鹿屋市あたりから、市立の鹿屋女子校、鹿屋高校あたりの影響が懸念されておりまして、これについても、納得していない部分がいまだにあると思います。
 結局、これを進めると、楠隼の特性である六年間一貫して子供たちを教育して、その希望をかなえられるとかいうことが、大分希薄になるんではないかなと懸念します。

 ですから、そういう形で進めるということであれば、それなりの対策は取られるでしょうけれども、慎重に検討していただきますようにお願いします。
◯紺屋高校教育課長 一つは楠隼の特徴をどうやって維持していくかというお尋ねだろうと思います。
 これにつきましては、県内一つしかない宇宙学ですとか、トップリーダー教室ですとか、特色ある魅力的な教育を行っておりますので、これは引き続き行っていきますし、なお一層充実するように、我々も努力してまいります。
 もう一方の生徒募集ということに関しましても、全国から生徒が来れる形で、例えば女子生徒の住居を整える問題ですとか、そしてその広報の部分ですとか、入試の在り方についてはこれから研究して、県内外問わず生徒がずっと継続して楠隼を希望するように、我々としても努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◯鶴田委員 分かりました。
 もう一つ言わせていただきますと、こういう特徴のある学校というのは、全国いろいろありまして、なおかつ、学生の生徒数というのが、あと二、三年すると、また右肩下がりにどんどん減っていくという状況があります。この中で特徴ある学校をつくるということで、全国、しのぎを削っております。そこで、地元を言うのもなんですが、あの田舎で、こういう教育を受けたいという方の特性に対する理解、これは非常に難しいことになってくるんではないかと思います。
 ですから、共学化、通学生の許可を進めていくのはいいんですけれども、やはり、今、保護者、生徒が持っている危機感が出てくることが懸念されますので、そこのところは重ねて慎重な検討をお願いしたい
と思います。
◯紺屋高校教育課長 その楠隼の立地等に関する御懸念、そして、保護者の危機感等の御懸念ということでございますけれども、楠隼につきましては、農業漁業民泊体験もございますし、やはり、肝付町がロケット射場がございまして、非常に、肝付町自体にもアクセラレーターが配置されていらっしゃったりして、宇宙事業が非常に盛んでございまして、これも地域にそういう資源があると理解しておりますから、特に県外の方々に対する魅力の訴求力というのはあるものと理解しておりますし、それは今後も広報してまいりたいと考えております。
 そして、保護者等、今後入学を希望する方々への懸念ということでございますけど、こちらにつきましては、そういうことが起きないように、広報に力を入れてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◯日高委員 今、鶴田委員からもお話ございました。地元のことで、十分私も分かります。
 私が皆さんにお聞きしたのは、決して、県外から来てもらっちゃ困るという意味じゃありません。たくさん来ていただきたい。今、県外でやっているのは楠隼校だけだというような状況もありまして、どちらも立つような形にしないといけないという考え方から。そういう意味では、鹿児島県に来ていただくといういろいろな取組をしていただいて、それが前提の中でこのことは決まっていくんだと思っています。そういう私の思いで質問させていただきましたので、御理解いただきたいと思います。
(引用おわり)

今回の共学化を進めるにあたっては県議会に対し鹿児島県私立中学高校協会から再三要望されている県外入試会場の廃止が必要であるとの要請事項を県教委が応諾した形となっています。

この改革で楠隼のもつ特性が希薄になり、存続にかかる危機感を生徒、保護者が抱いているというこの問題の本質的な部分に関する委員の指摘についての県教委の回答は随分的外れなものに思われます。

知事がマニフェストにより提起された問題はこの制度変更によって解決するのでしょうか。
解決すべき問題が何であったかはマニフェストには書かれていません。
抑々 問題が存在したのでしょうか。
次期に向けたマニフェストを近々発表されるとのことでありますが、その前に説明されるべきことがある様に思われます。


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