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名探偵ピカチュウの感想(ネタバレあり)

イオンシネマ京都桂川で鑑賞。レイトショーのせいかGWなのにガラガラだった。

でもシネマクティフのマンスリーシネマトークに行ったら満員で観れなかった人もいたそうなので場所によるのかも知れない。

ピカチュウとわたし


僕のピカチュウ遍歴の始まりは小学校の時ゲームボーイでの一作目のグリーンバージョンを弟と一緒にプレイしていた辺りから。本当は弟が買ってもらったソフトだったのだけど無理矢理一緒にやらせてもらっていた。

たしか一つのセーブデータしか作れないのにどういう風にシェアしていたのだろうか、、、思い出せない。なんにしても弟に対しては悪い事をしたと今も申し訳ない気持ちでいっぱい。本当ごめんなさい。

そんなこんなで初期ポケットモンスターにハマっていたのだけど、この時ピカチュウに関してはそんなに意識していなかった。「あのトキワの森でめちゃくちゃ粘らないと遭遇出来ない電気系のやつでしょ?」くらいの認識。

それが変わったのがコロコロコミックで連載が始まった大久保幸作の「ポケットモンスター」の漫画。

何故か人語を話すピッピと主人公レッドがひたすらしょうもない漫才を繰り返しながらポケモンマスターを目指していく様な話だったと思う(うる覚え)。地味かも知れないけどポケモンをストーリーとして表現したのはこれが初めてだったと思うし、アニメ化に繋げる意味でも結構重要な作品だったと思う。

ピカチュウはそのピッピのいとこという役で登場する。ただ小学生だった僕は穴久保先生の絵が苦手で、正直下系のギャグシーン↓ばっかだったしピカチュウに対してそんな可愛い印象を持っていなかった、爆走兄弟レッツ&ゴーの方が好きだった。

それがガラッと変わったのが、みんなお馴染みのアニメ版のポケモンの放映が始まったタイミング。個人的にはこれがかなり面白くて録画した第一話を何回も見ていた気がする。

まず穴久保版と比較にならない程ピカチュウが、まあ可愛いくて可愛いくて僕の性癖にジャストフィットしてしまった。

それとアニメが始まったタイミングの主人公のサトシが10歳で同い年だった事もあり、子供が旅をしても危険がなくポケモンと人間の調和が取れた世界観にひたすら憧れていた。

休み時間にはピカチュウの絵を自由帳に描き、「手のひらピカチュウ」を親にねだって買ってもらい(最終的にぶっ壊れて手のひらに乗せなくても鳴き続けるので電池を抜いてただの置物になった)、ポケットピカチュウが出れば手をだし(ベルトに引っ掛ける所が割れて瞬間接着剤で無理やりくっつけて使い続ける)、改めて発売になった「ポケットモンスターピカチュウバージョン」をお年玉で購入し波乗りピカチュウのミニゲームを狂ったように毎日やっていた日々。



中学生になり徐々に落ち着いていったけど、小学生の時はピカチュウにどっぷりハマった生活をしていた。

ただ今回原作の「名探偵ピカチュウ」だけど、僕がピカチュウに萌えまくった後に出た作品だったので正直全く馴染みがない。
予想だけど可愛いピカチュウのゲームは僕のようなポケモン第一世代にやり尽くされていて(ピカチュウげんきでちゅう、ポケットピカチュウ、ピカチュウバージョンなど)そこにカウンター的な意味で中身がホームズみたいなしゃべるおっさんピカチュウ面白いんじゃね?的なノリで登場した感じがする(全然違うかも知れない)

普通の流れなら初期ゲーム版のポケモンとかアニメ版をベースの少年とポケモンの成長を描くロードムービー的な映画を作ってヒットしたらスピンオフ的に「名探偵ピカチュウ」の映画化いくか!とかだと思うんだけど。何故これが初の実写映画の企画として通ってしまったのか、、、(大人の事情だと思うけど)
なんていうかハリウッドで「ドラえもん」の映画化企画の話が出て、第一作がいきなり「ドラえもんズ」の実写版が作られるみたいな違和感がある。(伝わりにくい)

そんな感じで初期のピカチュウに対する思い入れの深さ故の期待と「この企画大丈夫か?」という懐疑心が半々という感じで観に行ってきた。

世界観の違和感

結論から言うと「めちゃくちゃ微妙」というのが正直な感想。やっぱり懐疑心が勝ってしまった。

良かった点を先に言うとピカチュウのビジュアルが可愛いくてまず安心した。実写にする上でアニメ的なキャラクターイメージと生きている動物の実在感を絶妙なバランスで表現していて全く違和感なかった。
後、中身のライアン・レイノルズがいつも通りの陽気なライアン・レイノルズでギャグ描写は流石、何回も声出して笑ってしまった。個人的にお気に入りシーンはリザードンとの対決から逃げようとする時の金網の掴まり方が必死過ぎて可愛い。

他のポケモンも毛並み表現や動きも全く違和感なかったしポケモンと人間が共存してる世界としてちゃんと説得力があった。

でも今回の映画のポケモンの世界観の説明としてはライムシティの描写のみに絞った方が良かった気がする。

まず冒頭の主人公がカラカラをモンスターボールで捕まえようする所。ゲームやアニメ版のポケットモンスターの世界観の説明としては分かるんだけど、今回の映画の中で全く必要ないシーンだと思う。その後ポケモンを捕まえるシーン一切出てこないっていうか、敵がミュウツーを捕らえる所で「あ、別にモンスターボール使わないんだ」ってちょっとビックリした。ここのカラカラの生態の説明を主人公が口でするのも演出として凄い冷めた。

ポケモン感の違和感

あと個人的な好みというか僕が初期ポケモンの好きな部分としてモンスターボールやポケモンセンターの未来のメカ要素がある。

あの小さなボールにどんなサイズのモンスターも入り必要な時に出せる感じ、あとポケモンセンターに行くと充電する様にモンスターが回復する感じとか、スマートな未来感が良いと思ってたりするので、ライムシティのその辺で糞尿とかしそうなモンスターを小さな歩道とかにギュウギュウな状態で放し飼いで人が歩いてるのは、僕が小学生の時に夢見てたポケモンの世界じゃなかったなぁ、、、。

まあ原作ゲームの「名探偵ピカチュウ」がそういう世界観っぽいししょうがないけど。

登場人物の動機のなさ

謎解き要素も凄く微妙で、特に敵のビルナイが何の為にあんな街中の人をポケモンに精神移さないといけないのか意味が分からなかった。
自分の身体の不自由さ故に最強のミュウツーの肉体を求める所までは理解出来たんだけど、なんでその辺の人を巻き込んだのか。説明あったっけ?ただ悪役だから以外の理由が無い気がして弱い。

あとミュウツーが安全の為にピカチュウに精神を移動して息子を連れてくる作戦にした意味ってなんでなんだろか。よく分からなかった。

そんな感じで個人的にはピカチュウが可愛い以外はあんまり好きな所はなかった。
ただポケモンの実在感はしっかり表現出来てたし、初期のゲーム版ポケットモンスターの映画化をこの感じでやってくれたら面白く出来そうなので、今後も実写映画シリーズはやめないで欲しいとは思う。

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