装丁日和【文芸書】名久井直子さんデザイン編
こんにちは。菜のはな書房です。
今回は書籍の「装丁」について書いていこうと思います。
紹介したい本はたくさんあり、テーマごとに分けて何回かに渡って公開していく予定です。
では第一回目はこちらです。
【文芸書】名久井直子さんデザイン編
ブックデザイナー・名久井直子さんのデザインがとても好きなので、この『装丁日和』記事のトップバッターとして取り上げたいと思います!
最近だと芥川賞を受賞した高瀬隼子さん「おいしいごはんが食べられますように」(講談社)の装丁も手がけられています。
わたしがおすすめしたいのはこの4冊です。
1)「郵便配達と夜の国」大庭賢哉
2)「憤死」綿矢りさ
3)「星座から見た地球」福永信
4)「英子の森」松田青子
「郵便配達と夜の国」大庭賢哉
漫画家・イラストレーター大庭賢哉さんの単行本。子どもたちが不思議な体験をするかわいらしい漫画短編集。表紙や巻頭のカラー漫画の水彩タッチが柔らかい印象。ちなみに川上未映子さんの詩集「水瓶」の装丁にも、この本に収録されている大庭さんの絵が使われている。
「憤死」綿矢りさ
綿矢りささんの短編集。表題の「憤死」という字面はけっこうものものしいが、読んでみるとどうしようもないような、なぜか爽やかな奇妙な「底辺」女子同士の友情のお話となっている。それを汲んで、あえてピンク色やハートマーク、キーアイテムの苺のショートケーキからの着想で、洋菓子店の包装紙を遊び紙や本体表紙に使用している。見た目と作品のギャップが楽しい。
「星座から見た地球」福永信
表紙のいろんな形の星々は、巻末のリストを見ればわかるとおり、作家さんやイラストレーターさんたちの描き寄せ(?)でできている。表紙の紙質がなんとも味わい深い。
「英子の森」松田青子
アンティークっぽい印象のある装画とマッチしたタイトルデザイン。作品の内容も、奇妙でユーモラスでちょっと不穏?なお話たち。
『装丁日和』第一回は以上です。これから本を読むとき、装丁にも注目してみてください。
このシリーズの次回は【文芸書】シャープなデザイン編(仮)を予定しています。お楽しみに!📚
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