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フライヤーで振り返る面白かった美術展10選
こんにちは。菜のはな書房です。
今日は今まで見た美術展で特に面白かったものを紹介します。
10選なので目次から気になるものを選んで読んでもらって構いません。
では以下からどうぞ。
奈良美智 君や僕にちょっと似ている(2012年 横浜美術館)
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奈良さんの作品に初めて出会ったのは小学生の時、立体作品を見たこと。美術の教科書にも載っており、すでに現代美術界での地位を築いていた。
この展示では「春少女」など、タッチの細かさや色の重なりを生で見ることができた。また、この頃から?鋳造の作品も制作されていて、絵画やドローイングとは違う物量のある作品を作ることにも力を注いでいたようだ。
「かわいい」と評されることが多く、私も昔はそう思っていたが、今は「かわいい」の奥にある鋭い視線のようなものを感じる。
石田徹也展 ノート、夢のしるし(2014年 平塚市立美術館)
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TV番組「日曜美術館」で取り上げられたこともある故・石田徹也の回顧展。学生時代のイラストレーション作品から絵画制作に移行してからの作品が総覧できた。このような作家は二度と現れないのではないかと思う。広告を学んだが画家となった人の、世俗から離れた制作態度や作風が静かに「ここにいる」と訴えかけてくるかのようだった。
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ゴー・ビトウィーンズ 子どもを通して見る世界(2014年 森美術館)
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移民の子どもたちは親より先に外国語を覚え、生活上の言語の壁を乗り越え家族と社会の橋渡し的存在となることがあるという。文化の狭間を行き来する子どもたちを〈媒介者〉と呼び、各国のアーティストの作品を紹介していた。リネカ・ダイクストラ「女の人が泣いています《泣く女》」という、ピカソの《泣く女》を見た子どもたちの反応、考察を映した作品が印象的だった。「想像すること」、「考えを表すこと」の大切さを伝える作品だったと思う。
バレエ・リュス(2014年 国立新美術館)
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ロシア伝説のバレエ団、バレエ・リュスの衣装展。現存している衣装はすべて状態も良く、オリエンタルな魅力があった。デザイン画や衣装にまつわるエピソードなど、当時の盛り上がりを伝える貴重な資料だった。会場配布のプチ・ガイドがとてもわかりやすく、デザインもかわいい。
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11ぴきのねこと馬場のぼるの世界展(2014年 八王子夢美術館)
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絵本作家、馬場のぼる作品「11ぴきのねこ」を中心とした原画展。馬場のぼるさんが中学生の頃に描いた漫画(うさぎ狩の実体験)もあった。「11ぴきのねこ」独特の印刷技法の解説や、ユーモラスでちょっと奇妙な(?)、ねこや動物たちが描かれた楽しい展示。ちなみに私は「11ぴきのねこ ふくろのなか」が一番好きです。
赤瀬川原平×尾辻克彦(2014年 町田文学館ことばらんど)
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会期中に急逝された赤瀬川原平さんの作品展。路上観察、トマソン、老人力など、さまざまな機知に富んだ作品や言葉を作ってきた「芸術家」の人生を追想する。「宇宙の缶詰」の現物を見た。また、文学館らしく尾辻克彦名義の小説作品も展示されていた。今までで一番見ることができてよかった展示。
マグリット展(2015年 国立新美術館)
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シュルレアリスムの画家マグリットの日本での大規模な展覧会。西洋絵画史過渡期の作品が多くかんしょできた。会期中学生割引キャンペーンも行っていた。
青空の中に街灯がある「絵画」ならではの表現が面白い。ミュージアムショップで青りんごの缶バッジを購入しました。
戦後日本住宅伝説(2015年 八王子夢美術館)
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日本の戦後建築が勢揃いした展覧会。黒川紀章が手がけたカプセルホテルや「時をかける少女」(細田守監督)の主人公の家のモデルになった邸宅を見ることができた。フライヤーのデザインもビビッドで力強い印象。
トーマス・ルフ(2016年 国立近代美術館)
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現代写真家トーマス・ルフの作品展。ネガを「作品」としたり、感光作用を用いてグラフィックにしたり、「写真」表現の豊かさを知ることができた。大判の作品は迫力があるが、サイズに関わらず作家の姿勢が伝わる展示だった。
イギリスからくり玩具展(2016年 八王子夢美術館)
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ユニークな「からくり人形」の展示。実際に動かすことができ、風刺的なモチーフが多くあり、子どもから大人まで楽しめる。とぼけたような顔の猫や神話のアヌビス神の瞳など、木工特有の温かみとからくりの不気味なモーションが雰囲気を盛り上げている。
以上10選でした!
直近では松濤美術館の「異性装の日本史」に行きました。また今度感想など書くかもしれません。
次回の更新もお楽しみに!
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