中国自動車道と山陽自動車道

中国自動車道よりも後に山陽自動車道が開通してから通過交通がほぼ山陽自動車道にシフトして中国自動車道はガラガラになってしまった。神戸JCT以東から山口JCT以西まで通しで走るとしてどちらを走るかといえば、両方走ったときには中国自動車道の方が走りやすいと感じた。ただしあくまでも乗用車の場合であって、大型車が曲線や勾配が多く冬季には雪でスタックしやすい区間のある中国自動車道を避けるのもわからないでもない。

最大の理由は空いていること。追い越しの頻度が極めて低いし、追い越しも容易。巡航速度を維持したまま追い越せるので、クルーズコントロールとステアリングアシストをつけっぱなしで楽に走れる。最近は工事のための対面通行区間が多いが、それがさほど苦にならないくらい空いている。

山陽自動車道は東北自動車道と同様に多種多様な車が入り乱れて走っていて、追い越したり走行車線に戻って道を譲ったりと気を遣う場面が多くて疲れる。交通量が多いので速度の出ない区間も多いので、100km/h出せないこともあるし、山陽自動車道にも中国自動車道ほどではないにしても80km/h制限区間がそこそこある。山陽自動車道の方が線形が良いといっても、たしかに中国自動車道との比較ではそうだろうが、別に新東名や新名神のようにまっすぐなわけではなく、普通の高速道路である。

中国自動車道はカーブが多いといっても、一応高速道路なので制限速度で走る分には減速せずに一定速度で走れるし、ステアリングアシストに任せればカーブも楽に運転できる。ほぼ全区間で80km/h制限、一部区間に高速道路なのに60km/h制限があるが、一定速度で走れるので巡航速度が低くても1時間後には80km先まで確実に移動できる。平均速度でいえば山陽自動車道にさほど劣らない。

中国自動車道で唯一不便だと感じるのは、SA・PAでの飲食の機会が乏しいこと。交通量が少ないことの代償として、SAですらフードコートすら無いものがある。これは事前に予習して、昼食時に飲食できそうなSA・PAの当たりをつけておいた方がよい。

では東京大阪間で新東名新名神経由と中央道名神高速経由とでどちらが走りやすいかといえば、これは新東名新名神経由の方が走りやすい。中央道は中国自動車道ほど空いていないし、名神はさらに混雑する一方で、新東名新名神の方が車線数が多いうえ、並行する東名や東名阪道に交通が分散するため走りやすいためである。

新東名新名神は後から作られたバイパスルートなので都市から離れた所を通っており、通過交通と域内交通との棲み分けができている。それに対して先に中国自動車道を作って後から山陽自動車道を作ってしまったので、中国自動車道がバイパスルートとして機能していない。たらればの話でしかないが、もし山陽自動車道を先に作って、後から高規格なバイパスルートとして中国自動車道を作っていたら、新東名新名神同様に棲み分けができたのではないだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?