日本海から見えるランドマーク

大きな山というのはなまじ大きすぎて陸上からではよく見えないが、海上からでは全容がよく見える。晴天時には格好のランドマークである。山形県と秋田県の境にある鳥海山は大きすぎて近くからでは却ってよく見えないが、海にせり出しているので海上からの方がよく見える。鳥海山は山の中腹に雲がかかりやすいのだが、山頂付近にはあまり雲がかからないので、遠方から眺めると雲の下は水平線の向こう側に隠れてしまっても、雲の上の山頂部分だけはかなり遠くからでもよく見える。

新潟県と山形県と福島県との境にある飯豊山は、2000m級の山なのでこれまた巨大かつやや内陸寄りにあるので陸上からではよく見えないが、新潟県の沖合では一番目立つランドマークである。

朝日連峰は内陸にあるので、手前の山に隠れてよく見えないが、それでも標高が高いので、時折山頂部分が見える。

海上にあって島は目立つが、佐渡はともかく粟島や飛島は標高が低いので、近くでは目立つが遠くからでは水平線の向こう側である。

秋田から新潟にかけての沿岸を眺めるには新日本海フェリーに乗るのが手軽かつ安い。朝に秋田港を朝8時35分に出て午後3時半に新潟港に着く。昼間にしか乗らなければ一番安い桟敷席で十分で、これなら閑散期なら片道5000円程度、繁忙期であっても片道7000円程度で乗れる。昼食時にはレストランも営業している。冬の日本海は荒れるし春でも荒れることがあるが夏の日本海は穏やかなので、乗るなら夏が良い。

船中泊を伴ってよければ、新潟を正午に出発する小樽行の新日本海フェリーが手軽である。船は新しく設備が良い。7月上旬に乗るなら19時頃まで明るいので、秋田沖くらいまでは景色が見える。ただし小樽港到着が朝4時半と早いし、6時まで船内にいられるといっても6時でもまだ早い。

新日本海フェリーの舞鶴小樽航路や敦賀苫小牧航路はちょうど昼間に日本海の沖合を航行するが、能登半島沖から北海道に向けてまっすぐ航行するので日本海沿岸の陸地が見えにくい。

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