全線復旧した南阿蘇鉄道に乗ってみた
まだ乗れていなかった南阿蘇鉄道が全線復旧したので乗りに行った。朝高森駅のパークアンドライド用の無料駐車場に駐車して、高森から立野まで列車で往復することにした。列車利用目的なので正々堂々とパークアンドライド用の駐車場を利用できる。到着時には駐車場に空きがあったが、高森駅に戻ってきたときには駐車場が満車だった。それだけ南阿蘇鉄道の乗客が多いのだろう。高森駅ではJR直通以外の切符を売っていないので、有人駅からの乗車であっても車内の運賃箱に硬貨を入れて払う必要がある。そのため乗車時に運賃箱で両替した。高森駅からの乗客は列車に乗ることを目的とした観光客ばかりだった。
乗車した列車は肥後大津行で、JR乗り入れに合わせて発注した新車であり、車内はロングシートである。阿蘇内輪山の見える向きに座ったが、実際に乗車してみると外輪山側の方が眺めが良かった。しかしそこそこの乗客がいたため、反対向きに座席を移動することが難しかったので、そのままでいた。どうせ復路にも乗るなら、そのときに外輪山の見える側に座ればよい。途中駅で徐々に乗客が増えてきたが、途中駅からの乗客は観光客ではなく地元の人のようである。
列車は崩落後に復旧した白川の橋を渡り、立野に到着した。列車は肥後大津行なので途中駅である。速やかに運賃を払って後者したが、降車客は僅かで、大半の乗客はそのまま乗り続けていた。肥後大津駅から先で熊本駅行の電車に乗り換えた人がどれくらいいたか知る由もないが、高森から熊本までの直通バスが熊本空港経由で2時間以上かかるのに対して、JRとの乗り継ぎなら熊本駅まで最短で1時間40分程度なので、新水前寺で路面電車に乗り換えるのが最も早そうである。
折返しの高森行の列車は肥後大津で折り返す列車なので、発車までだいぶ時間がある。せっかく立野駅に降り立ったので駅の様子を見るため階段を上り駅舎を眺めたり駅前に出たりしたが、駅前にちょうど高森中央行の産交バスが止まっていた。もうじき出発するバスで、このバスに乗ると高森に30分ほど早く着くし、運賃もほぼ同じだったので、帰りは急遽バスに乗ることにした。
乗客1名で出発したバスは立野駅前の細い路地を抜けてから国道に出て、崩落した阿蘇大橋の代わりに復旧した新阿蘇大橋の立派な道路を通り、しばらく国道を走ってから南阿蘇鉄道に並行する旧道に入った。旧道は国道と違って道が狭い。高森の手前で北上して一旦国道に出てから市街地を通って高森駅まで南下した。国道沿いの方が栄えている。高森駅で降車したが途中1名の乗車があっただけで、最大でも2名の乗客だった。
鉄道は多くの乗客で賑わっていたのに同じ区間を走るバスにほぼ誰も乗っていないのはもったいない。鉄道の知名度は全国的だが、一般路線バスは時刻表に載っているわけではないので、地元の人しか知らない、というか地元の人ですらバスに乗らない人は知らないのではないか。
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