ワイドビューしなのに乗ってみた

中津川から塩尻までワイドビューしなのに乗ってみた。山岳路線ながら表定速度が時速90kmを越えており、在来線特急としてはかなり速い部類である。

乗り心地は上々で、振り子動作中もほとんど気にならない。窓は大きく、シートピッチは広く、座り心地は良い。先頭電動車の車端部に乗ったが、特に乗り心地上の問題はなかった。

残念だったのは、単線区間で分岐器を通過するときに速度制限がかかっていたことである。せっかく曲線通過速度が高くても、分岐器で時速45kmの速度制限がかかっていては勿体無い。高山本線のように時速110kmで走行可能な両開き分岐器を導入すればこの区間で数分早く走れるのではないだろうか。ただし、スピードを感じないのは乗り心地が良いからだともいえるし、単線区間ではダイヤが乱れたときに回復しにくいので、余裕時間をたっぷり取っているのかもしれない。

国鉄時代にはこの区間で複線化や新線への切り替えが積極的に進められたが、JRになってからは複線化は行われていないようである。しなのはJR東日本に乗り入れる列車となり、増発が困難なので、増結で対処している。貨物列車や普通列車の本数は少ないので、たしかに増発のために複線化する誘因はない。それならば現状の単線を維持することを前提に、分岐器通過速度を向上するのが投資効果が高いといえるが、既に名古屋長野間の所要時間が3時間を切っており、高速道路に対しても時間的な優位性があるため、これ以上しなのの所要時間を短縮しても収益には影響がないということだろうか。

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