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熱い鉄になりたい

朝起きて、遅刻が確定していたとき。
具体的に言えば、朝起きて時計を確認したら朝礼一分前のとき。
言いようのない、足元が無くなるような焦りが私の体を襲うのだ。
実際には大したことはないし誰にでも起こりうることなのは知っている。
故に、だからこそ、皆勤賞というものに価値があるのだろうと思う。

だからといって、自分が遅刻を気にしないことはない。
起きたその瞬間から「やっちまった」感が拭えない一日。
憂鬱極まりない。
顔に差し込む窓の外からの光が、嫌に眩しくて無断欠勤したら最高に気持ちいいだろうな、とか考える。

ぽかぽかと温まった体が寝具の中で微睡みに誘ってくる。
あ、寝よう。
こうして私は目を閉じる。

そんなことができたら幸せなのに、愚直に私の体は起き上がり、着替えて朝の準備を始める。
中途半端な自分への厳しさは一番なんにもならないと思っている自分が。
あああ、あああ。
誰かに打たれていれば、違ったのだろうか。
藁灰をまぶされて、相槌をこの身に浴びて。
たられば、タラレバ
過ぎた過去を思う。

明日は早く寝ようとか
明日はちゃんとしよう、とか
明日、明日、明日

今日だろうに。

あ、明日は雨。

なんななど

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