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「名古屋入管死亡事件の真相究明のためのビデオ開示、再発防止徹底を求める」署名の第1弾提出~BOND学生メンバーの想い~

はじめに

 8月13日、5万88筆の署名を提出しました。今年3月名古屋入管に収容中だったスリランカ人女性ウィシュマサンダマリさんが亡くなった問題の「真相究明のためのビデオ開示、再発防止徹底」を求める第1弾の署名です。署名していただいた一人一人の市民の方々に対し、心から感謝申し上げます。今回の記事では、13日署名提出時、およびその後の記者会見でBOND学生メンバーが述べた言葉を、原文そのままで連載します。

学生Aの想い

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「本日は、名古屋入管死亡事件の真相究明のためのビデオ開示、再発防止徹底を求める署名の第一弾を提出しにきました。7月7日に開始した署名は8月12日までの1ヶ月で5万88筆、集まりました。この署名では、2021年3月6日、名古屋入管で収容中に亡くなられたスリランカ人女性ウィシュマさんの真相究明のためのビデオ開示、再発防止徹底を求め、学生の提案により始まりました。
 私たちが、なぜ、真相究明・再発防止を求めるのか。それは真相究明と再発防止が、ウィシュマさんのご遺族と、今も入管に収容されている被収容者、日本在留を望む仮放免者たちといった難民や帰国できない事情を抱えた当事者の切実な願いだからです。
 ご存じの通り、入管では、2007年以降17名の方が収容中に亡くなられています。その背景には、退去強制令を受けた者を非人間的に扱い、人権侵害を手段として追い返そうとする法務省入管庁における収容‐送還方針があり、この下で医療、食事などの被収容者の処遇、仮放免者への対応が行われています。ウィシュマさんも収容-送還方針の犠牲者でした。
 また、今回の死亡事件は、入管の強大な裁量権に裏付けられた、外国人差別や人権侵害を見過ごしてきた、私たち日本社会自身の問題でもあります。
5ヶ月かかって入管庁が公表した最終報告では結局死因も解明されていません。私たちがこの署名で求めてきたのは、「真相究明」のためのビデオ開示であり、部分的・編集されたビデオ開示ではありません。
 なぜ公開できない部分があるんですか。 
 これ以上、なにを隠しているんですか。

 私たちは、署名を集めるため、法務省前でのスタンディングアクションやご遺族と指宿弁護士を招いたイベント、またハッシュタグデモを敢行してきました。今日、私たちが提出する5万筆の署名は、真相究明(のためのビデオ開示)を求め集まった市民の声です。
 本日の提出は、第一弾になります。部分的なビデオ開示、一部幹部の軽微な処分・5ヶ月が経って死因も特定されていない最終報告書では、到底、真相究明と再発防止の徹底が果たされたとは言えません。私たちは、ビデオをウィシュマさんの遺族に対し、弁護士同席のもと開示すること、及び国会議員への監視カメラのビデオ全面開示、法務省入管と完全に独立した第三者調査委員会を設け、ウィシュマさん死亡事件の真相を究明し、再発防止策を講じることを求め、署名を継続します。
 第1弾となる、市民の声、5万筆の署名を受け取ってください。

署名提出声明

学生Bの想い

 「今回提出された最終報告書からは入管が人権侵害、さらに言えば人の命を失ったことへの反省が感じられません。主に東京で活動をしていて感じることは入管の人権侵害は根深い問題で決して名古屋個別の問題ではないということです。今回の報告書では個別の問題に矮小化しようとしていますが、一部への軽微な処分で解決するようなものではありません。根源から入管が人権意識を改めない限り同じ問題が引き起こされるのは明白です。
 そして、入管が人の命を奪う状況は今に始まったことではありません。人権侵害を見過ごしてきたのは日本社会です。これまでに入管の人権侵害を厳しく追及し、方向を変えられていればウィシュマさんが命を落とすことがなかったのではないか。そのように考えると1人の市民として強い罪悪感と責任感に襲われます。
 今回5万という多くの市民の声が署名と言う形で入管に届けられました。ぜひ真剣に取り扱ってほしいです。名古屋で起きてしまったことに真摯に向き合うことを強く求めます。入管が変わるときまで闘い続けます。

学生Cの想い

 「最終報告を読んで、こみ上げてきた思いは、率直に「怒り」です。尊い命が奪われたことに誠実に向き合ってほしい、入管には誠実に向き合う責任があります。表面的な不備を綴り、幹部に軽微な処分を下しただけで責任を果たしたなんて、「最終」の報告だなんて、日本の市民そして若者が許しません。
 真相究明・再発防止はこれからです。ご遺族にのみビデオを部分開示しただけで、終わらせてはいけません。同じ日本社会で起きた非人道的な扱いそしてその末路を、すべての人が目にしなくてはならないと思います。それは、なぜなら、私を含め国民一人ひとりが、入管に「命を預かる施設」としての役割を信用し任せてきたからです。全ての人が、この問題の当事者だと思います。
 もし外国人の問題として線を引く人がいるならば、その人だって、日本から一歩外に出れば外国人になると思います。その行先でどんな差別を受けても、死に追いやられても、日本で外国人差別を黙認してきた事実があれば、何も文句も言えません。
 私は、日本の一学生・市民として、外国人の人権そして生存権すら奪ってしまう入管に信頼を寄せることができません。いまの入管が根本から変わり、国民からの信頼を回復するために、すべきことは明らかです。ビデオの全面開示を始めとする真相究明と再発防止の徹底を私たちは引き続き求めていきます。

最後に

 引き続き、ビデオの全面開示をはじめとする真相究明、再発防止の徹底を求める署名活動を継続していきます。今後も署名及び拡散へのご協力お願いします。署名はこちらから!

#JusticeForWishma
#名古屋入管死亡事件の真相究明と再発防止を求めます
#ウィシュマさんのビデオを全面開示してください