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作品

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吉田恭大(1989〜)の短歌。出したり引っ込めたりします。
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2017年12月の記事一覧

ト

六畳の白い部屋。その床面にあなたは水平に横たわる。
携帯のデフォルトのアラームが鳴り、もう一度鳴り、あなたは起きる。
昨日のことはいくらか覚えている。床は白くて床は冷たい。
部屋を出てどこかへ向かう。戻るとき牛乳のコップを持っている。
部屋を出てどこかへ向かう。戻るとき人間らしい服を着ている。
部屋を出てどこかへ向かう。戻るときもう眠くない顔をしている。
手のひらを翳してドアが開いた、り、しないの

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