1/5(木)苦戦

5日目。
これを書き始めたのは朝。大阪へと向かう新幹線。めちゃくちゃ眠たい。

昨夜は和牛水田さん主催の新年会で焼肉をご馳走になり2時ごろ帰宅。今日が朝早いので先に帰りますと言っておきながら楽しすぎて最後まで居てしまった。

目を閉じると水田さんが頼んだ小ライスが仏壇に御供えするやつぐらい小だった事などが思い出されます。

それでは参りましょう。

二〇二三年一月五日。
木曜日。晴れ、寒さ緩やか(大阪)。

本日は大阪神戸で5公演。
NGK、漫才劇場、神戸国際会館を行き来します。 

順番としては

NGK、神戸、漫劇、NGK、神戸の順です。

ところで

吉本の各劇場の楽屋や舞台袖など様々な所に飴が常備されています。

種類を見るとのど飴系がダントツで多いのですが、NGKの袖に用意されている飴の小さなカゴにはのど飴はもちろんの事、なんとミルク系の飴もあるのだ。

特濃ミルクとか、ミルキーなどのスター選手がのど飴に混ざってカゴ内を華やかに彩っている。

僕はミルク系の飴がたぶん人より好きなのかも知れない。

舞台袖で出番前に喉を癒す目的というよりは普通に味わうために舐めさせて頂いている。

そのNGKの飴カゴに僕を魅了して止まない飴がある。

それは「俺のミルク」という飴だ。
名前こそちょっと引っかかるがこれがうまい。

普通のミルクの飴より練乳感が強いというか甘く感じるのだ。めっちゃうまい。東京からこれを舐めに来ているといったら過言ですね。さすがに。仕事しに来てるんで。

しかし名前で損してる。

こんなにうまいのに。
よだれ鶏ぐらい名前で損してる!!

話は戻って今日の行程の神戸の会場でのこと。

この神戸の会場の2公演はどちらもとある信用金庫の貸切公演で、恐らくそこのお客さんが招待されて観に来ているというものだった。

ネタを終えた先輩方に話を聞くとご年配がかなり多くてちょっと空気は重めとの事。

僕らはよくご年配の人に好かれそうと言われますが、実際はそうじゃないと感じている。それは多分年配の方にとってこの和服は別に珍しく無いというのが一つの原因かと。

不安が募る。

僕らの前はもりやすバンバンビガロさん。
皆さんご存知だと思いますが、ジャグリングやマジックなどでステージを盛り上げるまさに笑いの魔術師だ。

その魔術師が目の前でとにかくエグいぐらい笑いを取っている。客席には髪の白いかなり年配の方も沢山いたのだが、みんなが手を叩いて笑っている。

ゆったりしたセットアップ、ふんわりパーマにお洒落なメガネ。物凄い技を次から次へと披露していきつつ優しい口調でお客さんを弄り爆発的な笑いを生み出すバンバンさん。

片や僕らと言えば、カッチリした袴姿、へばりつくような短髪(三島)に昭和の税理士みたいな七三分け(南條)。最初こそ軽快な小鼓で登場するも何やら野太い声で力みながらじっとりネタをするコンビすゑひろがりず。

大丈夫か?

大盛り上がりでステージからハケて来るバンバンさん。

もしかしたらこの流れにうまく乗れば僕らもバンバンさんの残り笑いで何とか乗り切れるかも知れない。

目論見はすぐに崩れた。

いつものくだりの反応が鈍い。
頼みにしているボケが響かない。
そうなると焦り出して変な間が生まれたり噛んだり。

野球だったら完封負け。
合コンだったら一次会でお開き。
ラーメン屋ならスープ終了。

そんな感じでネタを終え、大阪へ戻り漫才劇場、NGKと続けて出番。こちらは手応えがある。

さっきのは何かの間違いだったのか。

再び神戸に戻り最後の出番。
同じくご年配の方多め。
またバンバンさん大盛り上がり。

僕らもアホじゃ無い。
今度は対策を立てて挑んだ。
バンバンさんの残り笑いを消さないためにすぐにネタに入り笑いの部分までを短くしよう。さっきはダラダラ喋りすぎた。要らん言葉は端折り簡潔に。

果たして結果は。

野球なら3-1で負け。
合コンならカラオケまでは行くも終電前解散。
ラーメン屋ならスープちょいぬる。

さっきよりはましやけど。

ただ良かった点も。
途中で三島が「もっと笑って下さいよ」と懇願したところがめちゃくちゃウケた。

それでいいのか。
あかん時はあかん時で手を替え品を替えお客さんの心を解していかないと。

芸歴17年目、ほんまに難しい!


これにて!

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