1,痛みと叫び
頭が割れるように痛い。 考えることを拒否している。
意識が飛び、安静にすること3日ほど。少しずつ動き始める。
あの時の記憶はまだ深い底に眠るままなのか。
10月某日。季節ももうすぐ冬か?と思う季節。
「……婚姻届の証人になってほしい?…ごめん。ちょっとググってみるわ。」
高校を卒業して以来、生存確認をする関係だった友人と久しぶりの長電話で聞かされた言葉だ。
なるほどな。ご縁があったと。
人間臭い感情が湧き上がる。
ほほぅ。なるほど?
まるで違う未来予想図。
未払いの請求書の山と返済に追われる日々、好きな人はいたけど振り回しすぎてトラウマを与え、自然消滅になった私達と、紹介した男性とうまくいった彼女。
「あいつだけ幸せになりやがって…。おいお前ふざけんじゃねぇぞ。」
「それは本当にその人に向けていい感情ですかね?もう一回考えたほうが無難ですよ。」
「言いたいことはわかるが黙ろうか。
お前が友人のことを知っていたのはよくわかった。」
混沌した意識の中で皆の念が渦となって疲労のレバーを引き上げる。皆さん、事故の衝撃で眠りについたはずでは?
意識だけは活発なんですねぇ…はぁ。
一気に体内の温度が上がり、出た言葉は
「…うん。正直言ってちょっと悔しいよ。」
弾き出された言葉がこれですか。
だいぶまとまりすぎてますね?
それぞれの記憶が意思を持ち、バラバラに振る舞う。
分かっていたことではありますが、なかなかキツイものがありますね。
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