人間観察

吾輩は猫である。
小説の始まりよりも二丁目のゲイバーで知り合った人に自己紹介で「吾輩は猫である」って言われたほうがインパクトあるなと思う。

まぁそれは置いといて…いや置いといても後で取るつもりないから埋めとこう。
ということで(どういうことだ?と聞かれたら素直に白旗を翳そう)吾輩は無趣味である。
今までにも草野球チームを作ってみたり、ビリヤードをやったり、ポーカーを始めてみたり、ボルダリングをやったり、ゲーム機を買ってゲームしてみたり、バンドをやったりetc…とにかく色々なことに手を出したが何をやってもハマらない。
手を出すどころかフットサルをやって足を出したこともあるがハマらない。
全て三日坊主、長くやっても一年坊主といったところで、早いものは一日坊主どころか一回坊主なんてのもザラである。
それでも懲りず麻雀やらゴルフなどまた新しいことを始めたいと強く思ったりしてるのだ。
何度も新しい趣味の世界に出家しては逃げ出して日常に戻ってくるのである。
ベターな表現だが自分に合った趣味を探しまわるのが趣味みたいになっている。
最近では趣向を凝らし変わった趣味を探してもなかなか嗜好するには至らない。
まさに無趣味の達人。無趣味のプロ。無趣味の大御所。無趣味の人間国宝である。
そう私は人間国宝である。

唯一趣味と言えるものがあるとするならば(いや結局あるんかい!白旗を翳します)映画や小説、漫画の鑑賞だが、これはなんだか口に出すのも恥ずかしいほどベターな趣味だろう。
あとこの趣味は休日に趣味仲間で集まって皆んなでどう?なんてことにならないのが辛い。
同じように小説好きですよなんて人と出会ってもじゃ今度ぜひ一緒に。なんてことにはならないのだ。

そんな趣味の話を人とすると稀に「私人間観察が趣味なんです」なんて言う人がいる。
私はそれを聞くと正直「趣味が人間観察?うわーなんか痛いなこいつ」と思ってしまう。
そんな奴は大体立て続けに「人って観察すると面白いじゃないですかー」なんて言ってきたりする。
自分も同じその「人」なのに。
そしてその後、街中で見かけたこいつなりの面白人テッパンエピソードトークをかまされる。
そもそも趣味が人間観察って…じゃゴルフやフットサルとかやる人みたいに休日に朝から出掛けて何時間も人間観察だけしてるのだろうか?
土日は趣味の人間観察をずっとしてましたなんてことないよね?
むしろ怖いよねそんな人。

そもそも日々人間を観察し面白がるなんてそれはもう神の遊びの領域じゃないかな?
動物園で動物の生態を観察してるとか植物を苗の状態から経過観察してますとかならわかるが、同種族の人間を観察して面白がり、しかもそれを趣味にしてるなんて恐ろしい。
きっとそういう人は周りの人間を自分よりも下に見ているんだろう。
きっとそう思われないように宮沢賢治も人間の生態を猫に代弁させて「吾輩は猫である」を書いたんじゃないかな?いや知らんけどね。じゃもう一回埋めときます。

まぁでも私も趣味が人間観察だっていう人を見て勝手に考察し、こうやって文字にまでしてるじゃないかと言われたら素直に白旗を翳そう。

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