逆鱗

 起きたことの意味を受け止めれないし、感情的になったのでいつも自分が書く日記帳にではなくパソコンでnoteに書こうと思った。手書きで書いてると手が疲れて書く気力が無くなるだろうと推察出来るくらいの量になるであろうからだ。昨日、ビールを飲んで寝たからなのか起き上がってからほんの少しだけ気分が悪い気がした。そもそも、お酒が好きでビールを飲んだというよりは、水やお茶を買ってなくて飲むものが無かったので冷蔵庫の奥にある、それも半年くらい前に職場から貰った缶ビールを渋々飲んだ。昨日起きたことはお酒を飲んで酔っていて自分が勘違いしていたのかもしれない、夢かもしれないと願っていたが、そんなことはなかった。俺は常々、現在の嫌いな人間、中学、高校、大学時代に嫌いだった恨んでる人間のことを考えては、その感情に潰されたり、エネルギーに変えたりしていた。その中の恨んで嫌いで仕方がなかった高校の同級生が自分と同じ夢を持っていることをSNSで昨晩知ってしまった。いい加減にしてくれ思った。そいつはSNSに自分が歌ってみた的な動画をあげていて、何故か事務所に入っているとプロフィールに書いてあった。そして、歌のコンテストにも出場して「活動」をしていた。自分と言えば作った曲をyoutubeにあげたり、レコード会社にデモを送ったりしたが、活動と言えるのだろうか。そいつのSNSでの再生数と俺の自作曲の再生数の差が、高校時代のそいつと俺の差を思い出させた。そいつに対する負の思い出を思い出して怒りは募り、こいつが何かの間違いで売れるという最悪な未来を予想するとどうしようもない恐怖が湧いてきた。それと同時にある意味チャンスだと考えた。自分が今から活動を始めて売れて、そいつが売れなかった場合、本当の意味で見返せることになる。何故なら、同じフィールドで戦っているという共通項が生まれるからである。もしそいつが音楽をしていなくて、俺が音楽で成功したとしても、自分は復讐出来た気になれるが、そいつが俺に対して苛立ちや悔しさを覚えるかは定かではないからだ。
 朝、傘を差してスリッパで濡れながら自動販売機に飲み物を買い行った。140円のお茶を勿体ないなと思いながらも買った。200円入れたつもりだったが、お釣りは10円しか来なかった。確実に100円を2枚入れたという自信は無かったので、150円入れていて、50円を100円と見間違えたんだろうなという結論に至った。仮に、自分が50円損していても今はそんなことそこまで気にならなかった。職場でのいらつきや過去の後悔や、後ろめたいことをもう気にする暇はないと薄々感じていた。何故なら、昔の敵が、現在の敵として再び姿を現して、そいつが成功するという最悪な未来を想像せざるを得なかったからだ!何が気に食わないと言えば、そいつが俺と同じ夢を持っていること以上に、そいつがミュージシャンになりたいと明言していることである。そいつにとって、下だと思う人間に対して高圧的な態度をとり、馬鹿にしてゴミを見るような目で一部の人間を見るような人間がミュージシャンになりたいと言っていることが俺の逆鱗に触れた。自分にとって度々思い出し恨んでいる人間の一人であったが、そいつが形を変えて俺の前に現れるなど切っても切れない誰も望まない、得をしないクソみたいな運命である。
 7月は活動をし始めたいと考えていたので、ある意味良い刺激にはなった気がするが、それ以上に抱えきれない程の嫌悪感と恐怖に見舞われた。俺は絶対にこいつを倒したい。


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