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カツセマサヒコ2号宣言の話。

※この記事は、大スター・カツセマサヒコさんについて私が独断と偏見で思いの丈を綴っております。もちろん無許可です。ご了承ください。



皆さんは今や時の人であるカツセマサヒコさんをご存知だろうか。
別名「タイムラインの王子様」と呼ばれているエモエモWebライターである。
最近小説を出したので小説家でもある。
ちなみに超イケメン(塩顔系)なのでそのビジュアルにも人気があり、ANTENAというアーティストのミュージックビデオにも出ている。
女性誌arの記事を男子目線で滅多刺しにするインスタライブや数々のイベントの司会なども務めており、もはやタレントである。


とにかくこの方、多方面にわたる才能はもちろんのこと、自己プロデュース能力がとんでもなく高い。


私がカツセさんを知ったのはTwitterであった。カツセさんのツイートはとにかくセンスの塊である。恥ずかし気もなく140字で全力勝負に出る彼の文章は、青春を炙ってさらに濃厚な香りを立たせたようにエモい。読む方が恥ずかしくなっちゃうくらい生々しい。そんでもって全体的にオシャレ。


だから読むたびに、一体どんな人生を送ったらこんなツイートができるのか、と考えてしまう。主に恋愛についての呟きが多く、終始センチメンタル。とても奥さんとお子さんがいるパパ・今年34歳の呟きには思えない。
だってぱっと見学生にしか見えない(良い意味で)。自由な雰囲気が生涯独身感を醸し出しているが、むしろ結婚しているがゆえのこの濃厚さなのかもしれぬ。果たしてお子様の前でもこんなエモ発言をなさるのだろうか。それともまたご家庭での別の顔があるのだろうか…と、まぁこの辺もフォロワーの心(てか私の心)をくすぐる。



そんなカツセさんが初めての小説を出した。

またこの小説のプロデュース(宣伝)方法がうまくて脱帽。



世間的にまだイチ消費者でしかない私からすると、商品は発売されてから売り始める(販売部数を上げようとする)ものだと思っていた。
だが、カツセさん(と編集部の策士の方々)はまるで「本の売り上げは発売前までに決まってしまうのだぁぁ!!」とでも言うように、出版決定からすぐに宣伝の嵐だった。
毎日どんな経緯で出版が決まったかや、小説の一部の切り取りがSNSで紹介された。すごい著名人からの推薦文も日々掲載されていた。


正直なところ、私は「まだ発売もしてないのになんかやってる感出すのってダサくね?」とかクソ生意気なことを思っていた。(ホントすみませんごめんなさい)これは小説に限らず舞台に関しても同様で、「脚本を書いている途中の自分」などをいちいちツイートする脚本家の気が知れないぜよ、と思っていた。だから小説に関してもそんな感じ。

ね、自分では本を出したこともないくせに脳味噌だけは一丁前。怠惰でプライドが高いこの手の人間に多い、大変失礼で思い上がった発想である。

だが結果、そんな私も、嫌でもそういった投稿を目にするうち、作品のことを色々と知ることとなる。知ってしまったら読みたくなった。買いたくなった。発売日が待ち遠しくなった。
…だってなんか面白そうなんですけど、普通に。


いや、勘違いしないでいただきたいのは、私はカツセさんが大好きなのだ。大好きと言えるほどよく知らないが、憧れなのだ。あぁなりたい。あの、なんでもできる感じ。いくつになってもダボっとした古着に身を包み、「だりぃな」などと抜かしながら下北と高円寺でしゃれたメンツと飲み明かすオトナクリエイター。最強サブカルマッシュ男子。自撮りにはいつだって一流のアーティストとデザイナーが写り込んでいる。(わかんないけど、そんなイメージ※独断と偏見です)


つまり今回、私は彼から学んだのだ。
本が売れない今の時代、こういう作家が生き残る。本だけじゃなく、創作家として生き残るのは彼のような生き方だ…と。
そう、「まだ売ってもないのになんかやってる感ダセェ」というあの発想はまじで一生売れないプライドだけ高くなった残念ウーマンのただの負け惜しみであり、実際本の売れ行きは出版日までに決まると言っても過言ではないようだった。
だって、出版日当日にたくさんの予約が入っていたらすぐ増刷が決まるし、増刷すれば話題になるし、話題になればまた売れる。天国の循環の始まり。
世界はそんなふうにできているのだ。


案の定カツセ小説は飛ぶように売れ、ネットでは発売前に予約受付終了になっていた。
今や5刷。発売3週間で5.8万部というバカ売れぶり。



私は訳のわからん意地をはり、SNSでフォロワー陣が「初日に買いました!」とか「○○書店売り切れでした!」とリプを飛ばしているのを横目に「絶対売上に貢献するものか!」と心に誓っていた。
だが、発売日からさらに加速していくSNSでの評判に加え、新聞やネットでも話題になっており、気づけば私の周りはカツセ小説の情報でいっぱいになっていた。

えぇ、そのくらい自ら調べまくっていたということなんですけれどもね。



そして私はついに、発売日から3週間たったあの日、書店でブルーの表紙を手にすることとなる。ちょっと眺めて、一旦置いて、書店を一周して、また手に取ってそのままレジに持って行った。
好奇心がプライドを上回る瞬間であった。
(てかさっきからこれはなんのプライドなんですかね)



大きな決断でしたよ、最近出費が多く節約を決め込んだばかりでしたし。
でもね、あれは買ってよかったです。まぁ帰宅してすぐほぼ一気読みしましたよね。



一番好きだったのはカツセさんの描写の仕方。私は普段台詞ばかりを書くので描写が苦手なのだが、
えっそれにそれを喩えちゃう?うわっその表現の仕方どっからきてんの?いつどこでどう発想したらそうなるわけ?…お主まさか天才か?
と思わせられるような文章が多く、その辺はマイリスペクト・リョウアサイを彷彿とさせるものがあった、
なんて書いたらどっちのファンにも怒られそうだけど、つまり私はとても好きだったのだ。



あとはもう、Twitterを何倍にも凝集させたエモエモエモ構文のオンパレード!
ここまでか!まだ足りぬか!お前の心沸騰させてやろうか!というレベルの主人公の愛情吐露。愛というものをあまりよく知らない私からすると「メンヘラ」の単語がすぐ頭をかすめますが、ここまでくるともう、愛というのはどこまでも細分化できて、どんなところにも浸透していて、むしろ愛のないものは存在しておらず、ただ世界を描写したらそれは僕の愛だったんです、というくらいの息苦しさ。



私は人を好きになったことがあるけど、本当の意味で好きになったことがあるのかと聞かれたらわからない人間なので、ただひたすらに、
ここまで人を愛してみたいし、でも多分一生ここまでの境地にはいけないんじゃないか
という悟りを開いたついでに宗教を始めそうになった。



新入社員の頃に読んだ
『20代のうちにしておきたい17のこと』
という本に
「キャンセル待ちをしてでも死ぬほどの恋をする」
という章があったのを思い出す。


こういうことかよ、
こういうことなんだろうなきっと
無縁の世界だが、だからこそ、小説で出会えてよかったよな。




あとは、何者にもなれない人間もちゃんと描かれていて
人間どのフェーズにいてもそういう葛藤あるんだよって言われた感じ。




読後、勢い余ってカツセさんの公式LINE(登録者35000人以上)にメッセージを送ってしまった。


「私がカツセマサヒコ2号になる!!絶対!!」



という謎の一文を送ってしまった。

3分後に拍手の絵文字を受信した。



本人に「カツセマサヒコ2号になる!」と断言した身の程知らずがこの世にどれほどいるかわからないが、言ってしまった手前これはもうならざるを得ない。



…やる。…やってやる!!!


とりあえず今日は、高円寺で古着買って、キリンジの「エイリアンズ」聴きながら、赤提灯の焼き鳥屋で一杯やってきます。

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