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清水亮さんの『帝国の興亡』に思う

今週の頭ぐらいから上記の記事を何度か私のTL上で見かけていて気にはなっていたので読んでみましたが、かなり興味深い内容でした。

仕事ができる人というのはそうでない人と比べて何倍もの生産性があります。例えば現実に、私が1日かけて考えた解決方法よりも良い解決策を問題を聞いた瞬間に提示されることが結構あったりします。そして、その人が出した解決策には私がいくら時間をかけてもたどり着かなったりするわけです。

抽象的な概念を扱う、エンジニアやデザイナーだとわかりやすいですが、それ以外の職業でも、凡百な人が10人いるよりも優秀な人が一人いる方が生産性が高い場面というのは多々あるのではないでしょうか。

ただ、これって現代に限った話ではなくって、例えば三国志でも、歩兵と諸葛亮では同じ人間であるにもかかわらず、何万倍も生産性が違ったわけです。

そうしてずっとやってきたわけなんですが、現代は労働市場がグローバル化されてしまったので、いわゆるビックテックと呼ばれる世界中から富を集められる会社がその富を使って、優秀な人を世界中から集めるようになってしまったわけです。

ビックテックは自社の発展と他社の衰退につながることがわかっているので、優秀な人材を獲得するためには金に糸目は付けないです。これがビックテックで働いている優秀な人が、尋常じゃない報酬を受け取っていることに繋がります。

サンフランシスコのベイエリアにはビックテックが集まっています。それによって、非常に高額な報酬を受け取っている人が世界中か集まってくることになりました。それは当然ながら家賃・物価の高騰を呼びます。

上記の記事によると

獲得された人材は、最低1000万円から上は数億円の年棒という日本人の感覚では莫大な報酬を得ることになるが、この競争が激しくて彼らの住居価格も高騰している。サンフランシスコで3LDKに住もうと思ったら家賃7000ドルが最低限の相場と言われる。つまり、住むだけで年間8万4000ドルが必要ということになり、これだけで日本円にして1000万円がすっ飛ぶ。

上記記事より抜粋

一昨日だったか、米アマゾンに就職が決まって初年度の年収(入社祝いと,
直ぐには現金化できない株こみ)が5,000万円を超えるというツイートを見かけたのですが、そりゃそれぐらいの給与ないと生活できないわなぁ。という感じです。

上記の記事でもビックテックの上級管理職として働くYoutuberの友人(drikin氏)も生活は決して楽ではなさそうと書かれていました。世界的にみても高収入と言える人たちが一か所に集まることで、金銭的に楽に生活できなくなるというのは何とも寓話的だったります。

ただ、更に悲惨なのは高額な収入を得られない普通の人たちで、彼らは地元に優秀で高収入な人が集まってくるにつれて、家賃の高騰から生活が出来なくなり、ホームレスになったり、職業の掛け持ちを余儀なくされているようです。

うーん、なんか資本主義の良くない点がでてんなぁ。って感じですが、ビックテックからすると優秀な人は金に糸目をつけず雇用したい。優秀な人からすると、収入が増えるのはウェルカムだし、優秀な人と働けるのは楽しい。という構造があるので解決は難しそうですよね。

リモートワークがさらに進化して、居住地の縛りがなくなれば解決したりするんだろうか。と思ったりしますが、当のビックテックがオフィス回帰しようとしていることを考えるとそれも簡単そうではないですね。

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