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ムバダラ石油、マレーシアのペガガ油田からガス生産を開始

アブダビ政府系石油会社であるムバダラ石油がマレーシアに地歩を築いた事は大きい意味がある。2012年にPSC契約者となり2014年にガスを発見した、それもセントラルルコニアという多くの石油会社が過去探査しつくした感のある地域で550MMSCFDという巨大な天然ガスを全体的に不足がちとなってきたビンツルLNG基地に補充する事となって、ペトロナスサイドもハッピーな結果となった。
しかし、設計建設にSAPURAを中心とするローカル勢に採用したせいもあり、水銀除去装置が正常に作用していない大問題が発生しているようで、それが突如発生したロシアの侵略戦争によるエネルギー危機と重なり、LNGバイヤー(日本のガス会社電気会社が多い)への約束した量のLNGを出荷できない事態を引き起こしている模様。
ビンツルは今年11月頃に新しい水銀除去装置が設置されれば問題解決すると言っているようだが果たしてそうなるかどうか。
同時に急成長してきたSAPURA ENERGYそのものが破産状態となってきているようでこれらの点について今後発信してゆきたい。

Pegaga ICCP

Offshore Engineer

2022年3月21日

アブダビに本社を置くムバダラ石油は、マレーシア沖合のSK320ブロックにあるペガガガス田からのガス生産を成功裏に開始した。2014年、同社はガス田でかなりのガス資源を発見したと報告していた。

ペガガガス田は、550MMSCFD(1日あたり5億5,000万標準立方フィート)のガスとコンデンセートを分離処理生産するように設計されている。生産されたガスは、新しい4km、38インチ径の海底パイプラインで既存のオフショアガスネットワークに接続された後ビントゥルの陸上ペトロナスLNGコンプレックスに届けられる。

2010年からマレーシアに進出しているムバダラ・ペトロリアムは、ブロックSK 320のoperatorであり、55%の権益を保有している。Petronasの子会社であるPetronas Carigali Sdn Bhdは25%を保有し、Sarawak Shell Berhadは残りの20%を保有している。

ムバダラ・ペトロリアムのマンスール・モハメド・アル・ハメド最高経営責任者(CEO)は「ペガガの業績はムバダラ・ペトロリアムのランドマークだ。このプロジェクトを発見から開発まで、マレーシア政府をはじめ、ペトロナス、パートナー、請負業者の支援を受けて生産に持ち込んだことで、エネルギープロバイダーとしての当社の深い能力、回復力、コミットメントを示す事ができた。エネルギー転換における重要な架け橋となる燃料としてのガスに戦略的に焦点を当てたこの成果は、長期的な投資家および戦略的エネルギーパートナーとしての当社の将来を大きく約束するものとなった。

ペトロナスのシニアバイスプレジデント、モハメド・フィルーズ・アスナン氏は「2018年という石油市場がまだ回復途上にあった時点で最終的な投資決定を下したこのプロジェクトは、マレーシアの上流産業に対する投資家の信頼を示していると思う。それにアブダビ政府のエコシステムは、COVID-19パンデミックのピーク時でありながら施設の設計と製作設置に成功し、そのレジリエンスを証明しました。」


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