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太陽活動と電波伝播

私はアマチュア無線の免許を持っていますが、ここしばらくほとんど電波を出していません。海外生活が長かったこともあり、大掛かりなアンテナの設置をためらい、いまだに小型アンテナのみで、もっぱら海外からの短波放送やアマチュア無線の交信を受信して楽しんでいます。

短波放送やアマチュア無線の一部の周波数帯では、大気上層部にある電離層での電波の反射を利用して地球上の遠くとの通信が可能となります。

電離層は、太陽黒点の数、すなわち太陽活動の影響を強く受けます。太陽の黒点は、太陽活動が活発で強い磁場を発している時に数が増えます。その磁場の影響を受けて、地球の電離層の状況も大きく変化します。一般に黒点数が多くなってくると、電離層の反射が強まり、アマチュア無線も遠い海外の局との交信がしやすくなります。

太陽の黒点の数は大体11年周期で増減を繰り返していると言われています。太陽黒点の活動が記録され始めた1755年から1766年ごろまでの黒点の増加減少サイクルをサイクル1と名付け、現在は2020年ごろから黒点数が増加し始めたサイクル25の中ほどに向かっています。

私が生まれたころはサイクル19とサイクル20のはざまの時期で、その後、1968年ごろ、1980年ごろ、1990年ごろ、2002年ごろ、2014年ごろ、それぞれ黒点数のピークを迎えています。

ピークの時期を挟んだ数年間はアマチュア無線でも海外の遠方局との交信が期待できます。ちょうど現在、サイクル25のピークに近づいてきていると思われますので、そろそろアマチュア無線のアンテナを何とかしようかなと考えているところです。

それにしても太陽黒点のグラフを俯瞰して見ると、かつてのピークや狭間の頃私は一体何をしていたのだろうと思い返してしまいます。人生でまだたった6回目のピークとは、人生はなんとはかなきものかと感じてしまいます。

[サイクル19からの黒点数の増減を示したグラフ]

というわけで、もう何度も経験できないであろうこのサイクルを楽しんでおこうと思います。

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