【3年・7期生】2021年05月26日春学期第6回ゼミ

こんにちは、南後ゼミ7期生のY.Yです。まず初めに皆様に謝罪しなければならないことがございます。なぜ今更第6回のnoteが投稿されているのでしょうか。それは私がこのnoteの存在を完全に失念していたためです。誠に申し訳ございません。今後はこのようなことのないよう努めてまいりますので、一つよろしくお願いいたします。

【活動報告】

今回のゼミでは文献輪読の第三回目を行いました。扱った本は『無印都市の社会学-どこにでもある日常をフィールドワークする』です。

ここでは各班の考察を中心に紹介していこうと思います。

〈1班〉第一章無印都市とは何か、第四章【大量家電量販店】消費空間のスタイルがせめぎあう場所
・赤レンガ倉庫はどんな消費空間なのだろうか?←中華街と違いテーマ化されておらず、観光地としての意味を持たせている 
・みなとみらいは娯楽の場としてブランディングできている。

〈2班〉第五章【フランフラン】 安心安全なお洒落空間、第十章【ラーメン屋】 味覚のトポグラフィー
・なぜフランフランで買ってしまうのか?←非日常感、気分を買う
・なぜきたないラーメン屋が人気なのか?←ラーメンのおいしさに焦点を当ているため気にならない、演出

〈3班〉第十一章「快適な居場所」としての郊外型複合書店、第十六章 都市空間を飼いならす
・情報に対して受動的な都心型複合書店、能動的なネット書店
・24時間型ジムが流行っているのは、コロナ禍で自分の内面に目を向け、純粋に鍛えたい人が増えたのでは

〈4班〉第十八章 寺社巡礼 すぐそこのアナザーワールド、第十九章 パワースポット 構築され消費される聖と癒し
・寺社巡礼の意味が現代と過去で変化しているのでは?←信仰は薄れ、自社にはイベントとして訪れる
・廃仏毀釈をきっかけに寺社勢力への信仰は薄れ、イベントスペース化したのでは

【都市論ネタ】

 今回の都市論ネタですが、私は近年のレトロブームについて考えてみたいと思います。今回こうしてレトロブームについて書いてみようと思ったのは先週の都市情報論の講義を受けたからです。先週の講義では『クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』という映画を一部視聴しました。(直後に個人的に全編視聴して号泣しました)この映画ではみさえやひろしといった大人たちが20世紀を取り戻そうとする組織が放つ「20世紀のにおい」によってなつかしさのとりこになり、幼児退行してしまうという流れがあります。

 この映画の大きなキーワードは「なつかしさ」だと思います。レトロブームも、この映画に重なる部分があり、横丁などは現在の40代~60代の中年世代が昔を懐かしむことのできる古き良き空間として作られ、人気を集めています。この「なつかしさ」という魅力の強さを反映しているのが現代のレトロブームなのだと思います。

 しかし、ここでひとつの疑問が生まれました。中年世代にレトロがウケるのは「なつかしさ」納得いくのですが、私たちのような若者にもレトロが受けているのはなぜなのでしょうか。

 実際私も横丁のようなレトロな空間は大好きですし、このように思う同世代の人は多いのではないかと思います。しかし、少なくとも私たちは中年世代のように「なつかしい」と感じているわけではありません。なぜなら、私たちは横丁のような昔を再現された空間が自然にあった時代を実際には生きておらず、知らないからです。けれども、私たちはレトロに魅力を感じ、たびたびSNSなどで共有します。

 私たちのような若者世代がレトロに惹かれるのは、単純に魅力的だからというだけではないと思います。ここで考えられるのは、戦後から醸成されてきた「古き良き昭和日本」イメージの影響力の大きさです。特にメディアの中で、「古き良き昭和日本」というのは繰り返し描写されてきました。映画、ドキュメンタリー、ドラマなど、中でも1950年代~1970年代という高度経済成長期の日本の姿は東京の下町を舞台とした『オールウェイズ三丁目の夕日』などに代表されるように非常に印象的に、そしてポジティブにあらわされています。メディアが高度経済成長期という日本にとって誇り高き時代を印象的に描くことにより、「古き良き昭和日本」のイメージが素晴らしいものとして現代までも脈々と受け継がれていると思います。これは非常に興味深いことで、これこそ若者にもレトロがウケている一つの理由なのではないでしょうか。

画像1

https://rtrp.jp/spots/efd37be2-38c1-465d-85ad-389048ba1496/から引用

すこし都市論「ネタ」っぽくはなくなってしまいましたが、レトロ好きでも好きでなくても、皆さんがレトロについて考えるきっかけになればと思っております!


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