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2023/04/12 海外のコインとか、記念硬貨とかのこと

存在がなくなる実家から引き上げてきたものの中に、記念硬貨や外国のコインがある。
お金というものを捨てる気にはならない、しかし量的に結構あってこの数どうしたものかと唸っていたけど、そのコインのうち、お父さんが出張で余らせてきたと思しきドイツとか数カ国の硬貨は、ユニセフに送ることにした。
換金という手もあったろうけど、そもそもドイツマルクが多くて、永久保証されてるとしても日本での換金は無理め、やれたとしても手続きがめんどくさそうだった。

捨てる以外の方法はないか、と探していたら思いの外しっかりした機関が引き受けてくれるそうだったのでこれは良い判断だったのではと思う。
ユニセフからは「受け取りました」というお手紙と、私の住所が印刷されたシール台紙が送られてきて、
また今度なんかあったらヨロ! その時はこれリターンアドレスに使って送ってね~
という感じなのかなーと思いつつ、手持ちにはそんなに世の助けになるものがなかったので、そのリターンアドレスが印刷されてるシールは時々手紙をやり取りしている友達への封筒に貼り付けて使わせてもらっていた。
まあ引っ越ししたのでもう使えないんだけど。便利だったのにー。

さてごっそりなくなったと思っていたコインたちだけど、今回の引越しでまた発見されることになる。
鮮やかな黄色の地に雅な…これ椿? …の刺繍が施されたコインケース。
ああー
そういえば、ユニセフに送ったのは外国のコインだけで、オリンピックとかの記念硬貨はまだ、どうともしていなかったわ…。

残された日本の記念硬貨。
調べたら普通のお買い物にはやはりとても使いづらい様子。
発行されたものによって硬貨の材質が違ったりして、自販機なんかではお金と判別してくれないことが多いみたい。
これだけコイン表面の意匠に凝ってたらそうなるか、仕方ない。

だいたいが「買取に出すのがベター」みたいな回答だった。
特に昔のオリンピックのものとかちょっと良い値になりますよ、とか。

へえーそうなんだ。コインって売れるんだ。

と、何を買おうかなと考えた瞬間に、
これを買ったおじいちゃんかおばあちゃん、あるいはお父さんは
このオリンピックなりなんなり、記念硬貨が発行される一大イベントを
とてもわくわくした気持ちで待っていて、
その思い出の1つとして買い求めたのでは…
と思った。
というか記念硬貨を買うくらいなんだから、そういう気持ちがないわけではなかったろう。

わくわくというか、「のってみるかこの祭りに」みたいな楽しみの高まりみたいな。
私のおばあちゃんであるならば、
「せっかくだから記念にねひとつ、そうそう、誰それさんにも渡せるかもしれないから、いくつか買っておきましょうか…」
といった感じかな。

それを私が「ヘヘ〜おやつーどうしようかなー」
なんて子供のお使いみたいな気持ちで使ってしまって良いのか…? 
と。
そう思ったら、自分の浅ましさにちょっと廊下でよろけてしまった。

また迷い出す。
草葉の陰からは「別にもういいよ、お前に価値が見出せなければ」
とも言われてそうだけど。

でも私がこの時見出した価値は、オリンピックだの在位うん年とかのイベントごとじゃなくってさー。
お父さんたちのわくわくや期待とか楽しみが詰まったコインだった、
ということでね。

いずれの日にか私の食費、あるいは生活費の一部になるとしても、
そういう過ぎ去った人が抱えたであろう思いを想像してしまっては
ああもう本当にどうしてくれよう。
思い出は捨てづらい、手離しづらいというのに。

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