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3歳のクレームから気づかされた話。

2回目は、保育士2年目の頃の話です。

2歳児クラスの担任になり、日々子どもたちの遊びを見ていて、ある発見がありました。

家族ごっこのような遊びが始まると、特に3歳を過ぎた子どもたちが、

「〇〇はおとうさん」とか「〇〇ちゃんはおかあさん」とそれぞれが役割をもって遊ぶようになってきたなということ。

そんな姿を見ていて、家族がテーマの歌を作りたいなと思ってできたのがこちらの手遊び。虫が好きな子どもたちが多いクラスだったことも理由の一つです。

ねぼすけいもむし 作詞・作曲 荒巻シャケ

https://youtu.be/moE5_9VVeoY

作った次の日にさっそく歌って遊んでみると「もういっかい」との声がたくさんでてきて好反応♪

ところが…。

視線を感じ、そちらを見ると、3歳のHちゃんがこの曲にクレームをつけてきました。

Hちゃん「うちのおかあさんは、あさ、おりょうりなんてしない!」

2番の歌詞 

たいへんだねぼうしたおかあさん いそいでおりょうりつくります♪

に対するクレームでした。

荒巻T「Hちゃんのお母さんは朝どうしてるの?」

Hちゃん「すぐに会社に出かけちゃう」

荒巻T「そうだよね、お仕事忙しいもんね」「じゃあさ、お母さんも会社に行くって歌うのはどう?」

Hちゃん「うん、いいよ」

と納得してくれました。

こうやって歌詞も自由に変えられるのもあそび歌のいいところです♪

このやりとりがあって、あらためて気づかされたことがありました。

今回のように、子どもたちの言葉に耳を傾けながら、コミュニケーションをとれることこそがあそび歌の大切な部分なんだということでした。

「手をひざにさせる」でもなく

「子どもを集中させる」でもなく

楽しんで歌いながら、言葉のやり取りを通して、一緒に作っていくこと♪

そのほうが、より子どもの気持ちにも近づけるし、子どもたちの目の輝きが違ってくると感じました。

つまりは、コミュニケーションのツールの一つ。

そのことに気づいてからは、さらにあそび歌であそぶことが楽しくなりましたよ♪

そして、この曲がとてもクラスでブームになってくれたことから、さらなるあそび歌の可能性にも気づかせてもらえました。

ある日連絡ノートにこんなことがかいてありました。

「最近うちの娘が家ですごく楽しそうに、ズンチャズンチャ イェーイ♪た歌っています」

お、嬉しいなあ。

「ただ、その先の歌詞が聞き取れなくて困っています、教えてください」

なるほど(笑)

返事で歌詞を伝えました。

そのやりとりによって、あそび歌が、

「家庭とのコミュニケーションにもつながった」と思ったのです。

あそび歌のさらなる可能性を感じさせてもらえた出来事でした。

それにしても、今冷静に曲を分析してみれば

「ねぼうしてるのにズンチャズンチャ イェーイってなんだよ」って思いますが(笑)

この部分が繰り返されるのがなんともくせになるのですよね。子どもにはもちろんですが、保育学生にも大人気な部分です(笑)





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