映画化情報?

中学生のころだったと思うのですが、当時大ヒットした映画「エレファントマン」が「4K修復版」として改めて公開されるそうです。

当時の中学生にとっては、感動作品と言うよりも、主人公の奇形が面白おかしく喧伝されていたような印象しか持っていません。なんとも罰当たりな記憶です。当時は映画館へ見に行くということはなく、かなり後になってからテレビで放映されたのを見ましたが、少しは大人になっていたので、感動を味わうことができました。

さて、なんで「エレファントマン」の話を出したかと言いますと、この「4K修復版」というのが気になったからです。というのも、あたしの勤務先から出ている『海の上のピアニスト』を原作とする映画もこのたび「4Kデジタル修復版」として公開されることになったからです。

「エレファントマン」に対して「デジタル」の4文字の有無は特に違いはないのだと思いますが、こちらは更に「イタリア完全版」とも表記されています。既に何年も前に公開されていたものとは、ちょっと内容が異なるのでしょうね。ストーリーが違うのではなく、カットされていたシーンが追加されているとか、別のアングルの映像が使われているとか、そんなことなのでしょうか?

さて、もう一つ、これは映画原作とか、そういうものとは関係ないのですが、「バルーン 奇蹟の脱出飛行」という映画です。この映画に特に原作はないようですが(少なくとも邦訳では)、あたしがお勧めするのは『監視国家 東ドイツ秘密警察に引き裂かれた絆』です。どんな本かと言いますと、

東ドイツの秘密警察、「シュタージ」(国家保安省)は、国民生活のありとあらゆるところに監視の網を張り巡らし、そのすべてを膨大なファイルに収集していた。そればかりか、国民6.5人に1人が隣人を監視し、密告する側に立つという恐るべき体制を、「ベルリンの壁崩壊」まで維持していたのだ。
体制最後の日、シュタージ・ファイルは局員によってシュレッダーにかけられたが、それをつなぎ合わせる作業が現在、続いている。すべてつなぎ合わせれば180キロの長さに達し、修復作業は375年かかると言われている……。
本書は、シュタージに人生を狂わされた人びとにインタビュー取材し、全体主義国家における「超管理社会」の恐怖が肉声で明かされる、超一級のノンフィクションだ。
16歳のミリアムは体制に不満を感じ、友人と共にベルリンの壁を越えようと試みる。しかし、あと一歩のところで逮捕され、シュタージに厳しい尋問と残酷な拷問を受け、結局、刑務所に収監される。出所後に知り合って結婚した夫チャーリーも、西への逃亡未遂でシュタージに逮捕される。しかし突然、ミリアムのもとに夫の死亡通知が届く。愕然とした彼女は真相を追求すべく奮闘するが、死亡の理由は闇の中で、今は深い無力感に苛まれている……。
そのほか、旧体制に固執する元シュタージ幹部の驚倒の本音、恋人との仲を裂かれた女性の茨の道など。本書は、英国の優れたノンフィクション作品に授与される〈サミュエル・ジョンソン賞〉を受賞している。(解説=船橋洋一)

です。いかがでしょう、映画の原作とまでは言えなくとも、元ネタのような一冊ではありませんか?

さらに、この秋にはジャック・ロンドン『マーティン・イーデン』を原作とする映画「マーティン・エデン」の公開も控えています。

http://www.rockfield.net/wp/?p=477

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