今という時間を大事に~幸せは目の前にあるもの~

第49回

難聴ソルのゆんたくTime

 

2013(平成25)年9月22日 島原新聞掲載

 

秋の連休シーズンとなりました。皆さん、ご予定はありますか?私は9月の最初の連休最終日に予定を入れずに一日のんびり過ごそうと決めていたのです。しかし、いざ何もせずに過ごしているといいようもない不安が襲ってきました。漠然とした将来への不安でいっぱいになり、いてもたってもいられない状態になったのです。私はこのまま何もしなくてもよいのかと、何もしていないという生産性のなさに罪悪感をもってしまい、ますます落ち込んでしまいました。

 

そんな状態の時、周りを見ると身近な人はそれぞれの趣味に没頭していたり、自分の仕事に打ち込んだりしている姿が目に入ります。身近な人だけではなくテレビを見ていても画面上で頑張っている人達を見ると、何もしていない自分と比較して更に落ち込んでしまいました。暗い気持ちで過ごしていても、明るい気持ちで過ごしていても私にとっての今という時間は同じです。

 

今という時間を大事にしたいとは思っていますが、どうすれば大事にできるのか分からないことがあります。楽しい時や何かに夢中になっている時は今という時間が充実しているので、ことさら今何をすべきかを意識しないのかもしれません。しかし不安な時は先の見通しがつかず今という時間がどんどん過ぎていってしまいます。それに対して劣等感と焦りが出てくるのです。

 

皆さんもその様な経験がありませんか?私は不安でいっぱいになった時に思い出すようにしている言葉があります。今回もすごく不安になったのですが、いつものように「目に映るすべてのことはメッセージ」という言葉を口に出して自分に言い聞かせました。この言葉は先日引退発表をした宮崎駿作「魔女の宅急便」の挿入歌「やさしさに包まれたなら」の一節です。いま起こっているいいことも悪いことも全て意味があると捉えて自分自身を励ましています。そう思うことで不安な今や落ち込んでしまう今も、次の新しい今へと変わっていく気がします。

 

私が自分の不安に押しつぶされそうになっていた同じ日に日本列島は台風で大きな被害に遭いました。被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

ほんの数時間のことで自分の普通の生活が奪われてしまうという現実を目の当たりにしました。次の瞬間何が起こるかわからないことがこの頃沢山あります。今という瞬間は刻々と変わっていくものです。だからこそ毎日の何気ない関わり、「おはよう」、「おやすみ」、「ありがとう」のつながりの中に実は幸せがあるのだと思います。幸せは雲の上ではなく、今目の前にあるのかもしれませんね。毎日を普通に暮らしているということに感謝しながら生きていきたいものです。

 

未来への不安はつきないけれども、現実をありのままに受け入れ、今を大事にしていきたいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?