映画祭のパンフに〜UDトークのロゴマーク〜初めて見て感動

第101回

難聴ソルのゆんたくTime

2019年(令和元年)11月21日 島原新聞掲載


たびたび島原新聞でUDトークのことを書いてきました。島原の皆さんはUDトークについて他の地域の方よりも関心を持っていただいていると思います。

しかし、まだまだ身近な存在ではないようです。私もこれまで街角で見かけるポスターやチラシでUDトークつきというものは見たことがありませんでした。ですから、自分が見たい、聞きたいと思う講演会や舞台などにはUDトークサポーターの坂本朋恵さん(島原市在住)と出向いて、UDトークを使わせてもらう交渉をしてやっと実現するというものでした。

そんななか、画期的な出来事があったのです。

それは「第4回ながさき・愛の映画祭」という催しのパンフレットをいただいたときのことです。なんと、そこには、はっきりとUDトークのロゴマークが印刷されていました。

「UDトークが当たり前に使える催しですよ」というのが一目瞭然で、こんなパンフレットは初めて見ました。感動しました。

実際、UDトーク利用可のマークを見たのは、私が住んでいる長崎県では初めてだったので本当に驚きました。今後、「最初からUDトークが付きます」という表示のあるポスターやチラシが一般的になると様々な情報保障を必要としている方々にとって、より広い社会参加につながると思います。

第4回ながさき・愛の映画祭は次のような趣旨で開催されます。

ながさき・愛の映画祭代表の儀間由里香さんのあいさつの文の一節です。

「わたしたちは、たくさんの違うところ、同じところを持っています。そして、一緒にこの街で生活しています。この映画祭の目的は、いろんな“ちがい“と出会って『みんなが安心して生活できる社会』について考えることです。」

みんなにやさしい映画祭がコンセプトなので、リーフレットには、UDトークの他に、音声ガイド、UDCast、UDフォント、日本語字幕、やさしいにほんご、カラーUDを使用するなど様々な情報保障をつけて、本当にいろんな方が集い楽しめるような催しになっています。全ての映画に字幕が付くのはもちろん、他のイベントにもUDトークがつきます。

今年から私も実行委員会の会議に参加させてもらっています。会議には聴覚障害者だけではなく視覚障害者、車椅子の方もいらして、それぞれが希望を出して話し合っています。

これまで私は聴覚障害者の立場から意見を述べていましたが、今回、視覚障害者の話を聞くと、私の希望と全く逆の要望を出されていました。

そこで「あ!そうなんだな!」と気づくことがたくさんあり、聴覚障害者の世界だけではなく、他の障害を持った方の考えも視野に入れて世の中を見ないといけないなと感じました。わかっていたつもりでしたが、実際に当事者の話を聞いていると心に響くものがありました。

最後に発表された方の意見が特に心に残っています。「聴覚障害者、視覚障害者、他の意見もお持ちの方がそれぞれ相容れないところもあるけれど、皆で話をしながら正しい答えを出すというところまではいかなくても、お互いが歩み寄って考えをすり合わせていくことが大切ではないでしょうかと僕は思います」

本当にそうだなと思います。

「UDトークが使えます」というのが、パンフレットの表紙に記載されたのが今回の大きな収穫でした。皆が有意義な話し合いを重ねて、年々「みんなにやさしい」の意味が深いものになっていくと思います。そして当日のUDトークの訂正や設置などは毎回、島原新聞のUDトークを書くときに必ず登場する島原市在住のUDトークサポーターの坂本朋恵さん(文織工房)が執り行います。

第4回ながさき・愛の映画祭は2020年1月の10、11、12日にメルカつきまち(5階ホール・会議室)で開催されます。興味がある方はぜひ足を運んでみてください。

お問い合わせ先は
TEL090(7921)5211
TEL080(5264)1895
Eメール:popopopotter@yahoo.co.jp
URL:http://nagasakiainoeigasai.jimdofree.com/

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