失敗しても諦めない~一人ひとりがリンクの花~

第55回

難聴ソルのゆんたくTime

 

2014(平成26)年1月19日 島原新聞掲載

 

午年の一年がスタートしました。皆さまいかがお過ごしでしょうか?今回、午年にちなんで馬の話を書こうと思ったのですが、何も思い当たらずやめることにしました。しかし、馬は動物の中でも好きな部類に入ります。大学の時の実習先で馬の世話をしたのですが、鼻先のプニプニした感じがとても大好きで毎日触っていました。人間のいうことをよく聞く利口な動物です。馬について書きたいことができたら改めて書くことにして今回は違う話です。

 

皆様ご覧になったでしょうか?昨年12月のフィギュアスケート全日本選手権。私は高橋大輔選手に感動しました。演技中何回か転倒しながらも立ち上がり、さらに手を切って血を流しながらも演技を続行していました。とても安心して見られるものではなく、切ない気持ちで見ていました。しかし画面から伝わってくる気迫に圧倒されっぱなしでした。彼のスケートの表現力は素晴らしいものだったと思います。でも結果は5位。オリンピックへの切符は遠くなりました。今まで一生懸命頑張ってきたのに本番で力を発揮できずに残念だったなと感じ、胸が痛くなるような思いでした。本人はさらに悔しい思いをしたでしょう。

 

その後のインタビューで今の気持ちを聞かれて高橋選手は涙を抑えきれず、いったんその場を離れました。この時、私はこのまま戻ってこないのでは―と思っていました。ところが、すぐに戻ってきてインタビューに「これが今の僕の実力です」と応えたのです。私は彼がすぐに戻ってきたことをすごいことだと思います。ふきだしてくる悔しさを抑えて、冷静に自分を見つめることのできる強さを持った人なんだと改めて感じました。

 

私の胸に迫る想いがあふれてフェイスブックに「この姿は見習いたいものです。本当にかっこよかった。是非オリンピックに出て欲しい」と高橋選手を応援する気持ちを投稿したのです。出来ればオリンピックで最高の演技を見せて今日の悔しさを晴らしてほしいと願いつつ、代表選手の結果を待ちました。結果発表が出ました。三番目に高橋選手の名前が出たときには「やったー!」と他人のことながら自分の事のように嬉しく思い涙が溢れました。今回の結果には賛否両論があったようですが、私にとっては良い結果となりました。

 

この大会で私は高橋選手の精神力にとても励まされました。大きなプレッシャーの中、たくさんの失敗とチャレンジを繰り返すことでこの精神力が養われてきたのでしょう。気の遠くなるような練習を積み重ねてやっと手に入れた力。その力を一瞬にして大会で出し切る選手の演技にも尊いものを感じさえします。

 

私の場合は立ち向かうことよりもすぐに諦めることを考えてしまいがちです。失敗するのが怖いのです。一度失敗すると、また失敗するのではないかという恐怖心が先立ってしまいます。しかし、高橋選手の姿を見て、失敗しても諦めない、そしていったんその場を離れてもすぐに戻ってくるという姿勢が大切だという事に気付きました。そうすることで自分の前にある無限のチャンスを掴むことができるのでしょう。

 

今年からは高橋選手を見習って失敗を恐れずに、そして困難から逃げないようにしていきたいと思います。

 

私たちは一人一人が人生のリンクの花です。自分らしさを表現できる生き方を探していきないものですね。ソチオリンピックでの日本選手のご活躍、応援しています。高橋選手、頑張れ!

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