イベントに感謝〜私はわたしのままでいい〜素の自分 思い新たに

第98回

難聴ソルのゆんたくTime

2019(令和元年)年6月8日 島原新聞掲載


先日お知らせしていたイベント「大人の自己肯定感をつけるために 愛(LOVE)・命(LIFE)・光(LIGHT) 〜私がわたしらしくあるために〜」(5月18日・島原市有明総合文化会館)が、大きな感動とともに終了しました。中身はもちろんのこと、全体にUDトークをつけることができたこと、そして実現してくださった実行委員長であるコリンズ知佳さんとの出会い。いつも隣にいてくださるUD訂正者の坂本朋恵さんの協力。これらが全て揃って本当に素晴らしい内容となりました。

一生忘れられない成功例の一つとなるでしょう。

司会者のあいさつから始まり、島原室内合奏団の生演奏に合わせて、有明少年少女合唱団の皆様が手話つきで歌を披露。ここまでは、舞台左側に設置したスクリーンに字幕がつきました。

続いて、「LIFE いのち」というタイトルの映画上映です。このときは、手元のスマホで映画の情報をジャストタイムで文字情報として観ることができました。映画の中の歌も文字として伝わってきました。

皆様にとっては、映画は音と画像が同時に伝わってくるのが当たり前かもしれませんが、難聴者にとっては、画像を見ることができますが、音声情報はなかなか伝わらないので、深い意味での感動を味わうことが難しいのです。

しかし、今回は迫力のある映像とともにタイムリーに文字情報が入ってきました。臨場感を充分に味わうことができ感動しました。スマホを片手で持ちながら涙が止まりませんでした。

第2部に入ると、「うまれるまえのおはなし」というタイトルの絵本の動画が流れ、その後、3人の先生方のクロストーク、質疑応答でした。この間はスクリーンでの文字情報でした。

ここには、さらに強力な助っ人がいたのです。

3人のライブでのクロストークとなると、どんな話が展開されるのか分かりません。そこで坂本さんに加え、長野在住のUDトーク訂正者の上林玲子さんが加わりました。長野にいながら訂正に協力してくださったのです。坂本さんと上林さんのプロの修正者の手際の良さが発揮され、スムーズに情報を発信していただくことができました。2人の息の合った訂正ぶりに大変驚かされました。感謝の気持ちでいっぱいです。

全てが終わった時に、私は充実感と感動に包まれていました。中身の素晴らしさと文字情報の使い方がパーフェクトだったことに感動したのです。長崎の難聴のお母さん方にもお知らせすればよかったなと思っていたときに、会場にいらした健聴のお母さんから声をかけられました。「実は私もUDトークの画面を見ていたんですよ」と言われたのです。エッ?と思いました。その方は聞き逃した箇所を再確認するためにスクリーンの文字を見ていたそうです。

他にも今回のイベントの感想として「実は、私も画面を見ていました」というSNSの書き込みが複数ありました。私はハッとしました。これまでは、難聴者が使うものであって健聴者にとっては必要のないものと思っていましたが、そうではないことが分かったのです。そういえばUDトークのUDとは、ユニバーサルデザインという意味。ユニバーサルデザインとは、障害の有無に関係なく、全ての人が使いやすい製品、建物、環境そして考え方などをデザインすることです。

今回のUDトークの使用方法というのがまさに難聴者にも健聴者にも優しい使われ方の実践になっていたのだということに気づいたのです。


私はこれまで健聴者の方に受け入れられるかどうかは考えていませんでした。この感想をいただいて、新たな活用方法を知ることができました。さらに実行委員長の知佳さんのご主人はアイルランド出身の方ですが、彼はその場でUDトークの翻訳機能を使ってご覧になっていたそうです。本当に様々な使い方ができるということを実感した貴重なイベントでした。

今回のUDトークの情報があちこちに広まっているようです。様々な場面で活用し、充実したものにしていきたいと思っています。

イベントのテーマは「大人の自己肯定感をつけるために」というものでした。

私はこのイベントうに出合って、自分がUDトークを使って参加したいという気持ちを持ち続けていること。

それを理解して協力してくださった方がいらっしゃったこと。

そして、健聴者の方も使ってもらえるという事実が分かったこと。


これらの全てが、私の自己肯定感につながりました。私がわたしらしくあるあるために、私の想いを大切に、これからも様々なかかわりを持っていきたいという気持ちを新たにしました。

「私はわたしのままでいい」

そういう風に考えさせていただいた今回のイベントに感謝いたします。

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