姪と韓国の旅へ~心で感じ、感性磨く~

第71回

難聴ソルのゆんたくTime

 

2016(平成28)年5月21日 島原新聞掲載

 

私は旅が好きだ。旅に出ると自分の感性が研ぎ澄まされる感じがする。それがたまらなく好きなのである。このような感覚を身近な人にも知ってもらいたくて、甥や姪を誘って旅をすることが時々ある。

 

この春、姪が小学校を卒業したので、記念にと思い旅に誘った。姪はダンスが好きなので、宝塚に連れて行こうと思い、提案したら「舞台を見に行く旅じゃなくて、旅自体を楽しみたい」とのこと。そこで「せっかくだから海外旅行にしようか?」というと、「行く!」という返事。

 

じゃあ一番近い海外へということで、3月28日に釜山行きの航空券とホテルをネットで予約。3月31日から1泊2日の海外旅行となった。

 

前日から福岡入り。31日午前11時5分発のコリアンエアに乗る。所要時間は50分。すごく近い。まだ上昇中なのに機内食が配られた。えっ!と思い、周りを見るとみな入国手続きの書類を書いている。機内食を片手に私も書き始めた。結構書く欄があったので、姪にも「ちょっと書いて」と頼んだら、ローマ字で書くのが難しかったようで、手こずっていたので、結局私が書くことになった。書き終えると同時に着陸体制に。こんなに忙しい渡航は初めてだった。

 

最初から思いがけない旅となったが、空港につくなり、私たちの旅には現地ガイドがいないことに気づく。一瞬、冷や汗が…。なんとかしなくてはと思い、他のお客さんを待っているガイドに尋ねると、「タクシーに乗った方がよい」とのアドバイス。

 

ドキドキしながらタクシー乗り場に行く。そこで一番先頭に止まっていたタクシーに乗る。偶然にも日本語が喋れるドライバーさんで、ちょっと安心。出発したタクシーの窓から桜並木が続き、とても綺麗で姪と2人ではしゃいでいた。するとドライバーさんが流暢な日本語で話しかけてきた。

 

しばらく話をしていると和気あいあいとしたムードになり、「明日良かったら観光案内しますよ」という話になった。内心どうしよう?と思った。大事な姪を預かって旅行しているのに、すぐに信じてよいものだろうか?怪しいのではないかと不安になった。でも旅のご縁を信じようと思い、次の日に来てもらうことにした。

 

無事にホテルに到着。ラッキーなことに部屋をアップグレードしてもらえることに。その部屋の階は無料でサウナ、スパが利用できるとのこと。早速利用しようと思い行ってみると年齢制限があり、姪は入れなかった。仕方ないので2人でエステに行ってみた。怪しそうな店員が高いコースを勧めてきたが、1時間のお手軽コースにした。その後は市内を散策して、おなじみの焼き肉を食べてホテルに戻った。無事に一日を終えた。

 

2日目は朝から韓国粥を食べに行った。台湾の友人がオススメしたお店。美味しかった。食事の度に驚くのは、必ず2~3種類のキムチ、ししとう、生ニンニク、韓国海苔が山のように出てくる。キムチはなくなるとすぐにお代わりがドカッとくる。国が違うと食の習慣も全然違うんだなとつくづく思う。海外に来ると日本との様々な違いに姪を気づいてくれたことだろう。

 

いよいよ、昨日のドライバーさんとの約束の時間。本当に来るかなとドキドキしながら、待ち合わせの場所に行くと、ちゃんと来ていた。ホッとした気持ちと本当に大丈夫かなという複雑な気持ちになる。これもご縁と言い聞かせ、観光に出かけることにした。

 

海が見たいと話していたら、ダイヤモンドブリッジを渡って海の見える観光地に案内してくれた。自分達だけでは行けないようなガイドブックにも載っていないような古いお寺や、地元のスーパーマーケットなどに寄ってくれて思いがけなく楽しい旅になった。最後は空港まで送ってもらい一安心。そこから、コリアンエアに乗って福岡に帰ってきた。1泊2日の旅だったが、長く旅をしている感覚だった。

 

釜山に降り立つと独特の街の匂い、ざわめきを感じることができる、これは日本と違う感覚。姪もきっと家でじっとしていても得られないこの感覚を肌で感じただろう。

 

旅をすると新しいものを発見することができ、五感で感じる情報が沢山得られる。楽しいことも不安なことも感性を豊かにする刺激となる。その刺激が忘れられなくなり、また旅に出たいと思うのだろう。そして旅の不安を乗り越えた時、大きな自信が生まれる。

 

私は旅をすることによって、沢山の宝物を得ることができると思う。姪にも色んな所を自分の目で見て、心で感じて、感性を磨いて欲しい。

 

皆さんにも、機会を見つけて是非旅に出て頂きたい。私もこれからも甥や姪を連れて色んな所に旅してみたいと思う。

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