愛の映画祭に参加し〜社会の一員として互いに〜認め合う大切さ実感

第104回

難聴ソルのゆんたくTime

2020年(令和2年)3月13日 島原新聞掲載


今、私は皆さんに伝えたいと思うことがたくさんありすぎて頭の中が混乱しています。この状態には理由があります。それは1月に行われた「第4回ながさき愛の映画祭」に参加し、いろんな衝撃を受けたからです。

この映画祭については開催前に島原新聞でも告知をさせていただきました。私は、UDトークが登壇者の後ろにある映画用のスクリーンに大きく映し出されるということに興味をもち、参加してみたのです。ここで、今までのものの見方が180度変わる体験をすることになりました。

このとき出合った様々な物事についてお話ししたいと思います。

この「ながさき愛の映画祭」のスローガンは“無知との遭遇ー知るってドラマチック“というものでした。このスローガンから皆さんはどんなことを考えますか?私も行ってみるまでは、深い内容については分かりませんでした。最初に観た映画は「カランコエの花」というものです。こんな映画があるのか?見てはいけないものを見てしまったような気持ちもありましたが、このイベントに参加する中で、最初の思いはだんだんと変わっていきました。この映画はレズビアンの女子高生の苦悩を描いた作品です。この作品はLGBTQの方の生きづらさを私たちに教えてくれる内容でした。

LGBTQという言葉は知っていましたが、身近に感じることは、ほとんどありませんでした。この映画をきっかけに、特別なこと考えずに社会の一員としてお互いが認め合うことが大切なのだという意識に自然と変わってきました。更にこの気持ちを強くしたのは、映画の後に行われたトークイベントでした。登壇したのは、聴覚障害者、視覚障害者、外国人、LGBTQの当事者の方々。それぞれの方が自己紹介と社会への要望を伝えていらっしゃいました。ここで話をしていた方に共通するのは、社会的少数派(マイノリティ)と言われる方々だということです。それぞれに違うマイノリティの方々が、同じ場所に集い、その空間に私も一緒にいるという事実がとても不思議でした。

今まで体験したことのないシチュエーションでしたが、自分の中では大きな変化が起こっていました。今までは、自分の考えが普通の考えと思い、何も違和感なく過ごしてきました。

普通って何なのでしょう。普通という感覚は曖昧(あいまい)なもので、皆自分のことを普通だと思っているのではないでしょうか?今回の映画祭に参加して改めて一人一人それぞれが違う一人の人間で、その人にしかない生き方をしているのだと気づきました。

この映画祭のスローガンに「無知との遭遇」という言葉がありましたが、自分が知らないということに気づくこと。知らないことを知ろうとすること。知った後に自分が行動を起こすこと。このステップが大事なのです。年を重ねると、自分にも無知な部分があるということを認めることができなくなりがちです。しかし、自分の周りをよく見ると知らないこと、正しく理解していないこと、がたくさんあるような気がします。

この映画祭での衝撃が大きすぎて、頭の中を整理することができません。これからしばらくの間、この衝撃の出合いの数々を皆様に紹介しながら、私自身の心を落ち着けて、考えをまとめていければと思っています。

しばらくお付き合いくださいませ。

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