古川市長が自ら筆談ボード~安心して声を届けられた~

第68回

難聴ソルのゆんたくTime

 

2015(平成27)年11月26日 島原新聞掲載

 

筆談ボードをご存知ですか?

 

コミュニケーションが難しい聴覚障害者がその場の話の内容を筆談でサポートするための筆記具です。最近では公的な機関をはじめ、色々な場所でも、「耳の不自由な方は筆談しますのでお申し出ください」という文が書かれた耳マークを目にするようになりました。

 

先日、島原市役所に人工内耳公的助成陳情の日程調整のために、古川隆三郎市長にお会いしてきました。急なアポイントであったにも関わらず、お時間を作ってくださったのですが、その際、古川市長は自ら筆談ボードをご持参し対応して下さったことに大変感激いたしました、が突然のことで公務時間の制約もあり、要約筆記者のノートテイクでスムーズな話し合いができ、訪問の趣旨を理解していただき改めて日程調整後にご連絡をいただけることになりました。

 

私はこれまで色々な公的機関に伺ってきたのですが、こちらから「筆談を」とお願いする前に自ら、筆談ボードを用意して対応してくださる方は古川市長が初めてでした。

 

筆談ボードを持参し、書いてくださいという申し出がしにくいと敬遠する聴覚障害者もいる中、このように自ら先に動き丁寧に対応してくださる市長さんにありがたく、嬉しく感じました。自ら筆談ボードを持ってくることによって、市長さん側から門戸を開いていただいたという感覚があり、より安心していち聴覚障害者としての声を届けることができたのです。

 

以前に市長を囲む地域懇談会で、ある難聴者の方が「島原市から貸与の“防災ラジオ端末器コムフィス”に関して、音声情報だけでは独居高齢者には分からない」と訴えたのに対し、古川市長はその現場の声を重視してすぐに“目で見る防災ラジオ”を貸与して下さったという話を聞いたことがあります。

 

市民の申し出に「検討します」という応えが多く、いざ検討の段階になっても、そこから何年もかかってしまうことも多い行政機関において、このように早急に行動に移してくださる古川市長は、何よりも市民一人ひとりの幸せと共生社会を願っていらっしゃるのだなと強く感じました。

 

市政とは人と人とのつながりだと思います。

 

人と人がつながれば、そこに思いやりが生まれ、安心できる地域があり、それらが大きなうねりとなって住みやすい街になってゆくのだと思います。市民目線でその場の声に耳を傾けてくださる市長が、ここ島原市にいらっしゃいます。これから先のより良い未来を思い描けるような貴重な体験をいただきました。本当にありがとうございました。

 

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